オートバイのあれこれ『これぞホンダの成せる技!6気筒レーサー』
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01679502/title-1708790532416.jpeg?exp=10800)
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今朝は『これぞホンダの成せる技!6気筒レーサー』をテーマにお話ししようと思います。
1959年(昭和34年)のマン島TTレース出場を皮切りに、WGP(ロードレース世界選手権)へ本格的に参戦し始めたホンダ。
60年代のWGPにおけるホンダの大活躍は、モータースポーツが好きな人ならよくご存知のことでしょう。
その栄光の時代を支えたホンダのマシンのひとつが、『RC174』です。
![▲GP350レーサー・RC174〈1967/画像引用元:本田技研工業〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01679502/image-1708790547969.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
RC174の見どころは、並列6気筒エンジンを搭載していたこと。
ホンダは当時、4ストロークエンジンでライバルの2ストマシンへ対抗するため、回転数を上げられる多気筒化戦略を取りました。
125cc5気筒の『RC148』、ミニマムの50ccマシンでさえ2気筒の『RC116』を作るなどしていたのです。
そしてRC174も、その戦略のうちの1台になります。
![▲300ccにも満たないエンジンを6気筒で作った!〈画像引用元:本田技研工業〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01679502/image-1708790616356.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
RC174は350ccクラス用のマシンだったわけですが、ホンダはあえて排気量を“目一杯”にはせず、297ccに抑制。
その狙いは、各シリンダー内における燃焼(爆発)をなるべく小さくして振動を軽減することでした。
振動を限りなく抑える(=エンジンから発生する負荷を小さくする)ことによってエンジンを支えるパーツもできるだけ軽く・薄く仕上げ、最終的に車体全体のコンパクト化を目指したのです。
このホンダの策は功を奏し、RC174は排気量縮小によるパワーロスを補って余りある軽快な運動性を獲得。
当時のWGPではイタリアのMVアグスタが手強い存在でしたが、ホンダのライダーだったマイク・ヘイルウッドはこのRC174のキレ味鋭いハンドリングを存分に活かして勝利を重ね、結果的にシリーズ全8戦中6勝を記録。
RC174は見事、1967年シーズンの350ccクラスのチャンピオンマシンとなったのでした。
![▲RC174を駆るM・ヘイルウッド選手〈画像引用元:本田技研工業〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01679502/image-1708790730665.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
《参考》
本田技研工業 - 700勝の軌跡