【オートバイのあれこれ】イタリアンの香りが漂うスズキのネイキッド!
全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。
今日は「イタリアンの香りが漂うスズキのネイキッド!」をテーマにお話ししようと思います。
スズキのバイク史を彩った名ブランドのひとつ、『Bandit』。
このシリーズの始源的存在が『バンディット250』です。
バンディット250は、1989年(平成元年)6月にデビューした『バンディット400』の弟分として同年12月にリリースされました。
イタリア車を思わせるトラスデザインのフレーム、レプリカモデル『GSX-R250R』のものをベースに仕上げたエンジン、そしてスポーティさが際立つ外装デザインで構成されていたバンディット250は、ルックスも走りもシャープな印象で、兄貴分の400とともに一定の支持を集めます。
バンディット250で興味深いのが、マフラーの形状と排気音。
エンジンの前でクロスしたエキパイ(エキゾーストパイプ)が目を惹くポイントだったと言えます。
どこかで見たことがあるような…。
そう、’81年に登場したホンダ『CBX400F』と似たレイアウトですね。
バンディット400のマフラーはこのようになっておらず、250だけの特別なディテールでした。
また、実はエキゾースト・ノートにもスズキのこだわりが注がれていて、バンディット250のマフラーには高回転時の耳障りな高音を抑える設計が施されていました。
具体的には、1000Hzを超える周波数を削りつつ少しでも低音の迫力を演出するため、600Hzより下の音域が際立つような構造とされていたのです。
こういった作りこみを見るに、バンディット250が単なる「400の廉価版」ではないことが分かるのではないでしょうか。
並列4気筒エンジンにトラスフレームの組み合わせは当時としてはなかなか個性的で、バンディットはスタイル面で差別化を図りづらいネイキッドカテゴリーにあって、はっきりと存在感を示すことができていたと言えるでしょう。
画像引用元:スズキ/本田技研工業