高級ホテルのディナービュッフェに女一人旅で突入・アナンタラバンコクリバーサイドなら美味しい!楽しい!
SNSでいつでも連絡が取れるようになった上に、働き方が多様化した現在、休みの長さや時期も多様化した。ひと昔前は誰かと一緒に最初から最後まで旅行することが当たり前だったが、誰かの休みに完全に合わせる旅が窮屈に感じることも増えてきた。そのせいか、ひとり旅や、現地集合現地解散という自由なスタイルの旅が増えたように思う。旅の途中で一人で過ごす日もあるだろう。
少し困るのが「1日くらいちょっとゴージャスに過ごしたいなあ」と言う日。タイの場合、物価が上がり日本が円安に喘いでいたとしても、未だに安旅信仰者が根強い。だから思い切り「えー?タイなのに何でそんなわざわざ高い所でディナーするの?」などと相方に計画を否定される場合もある。
上等だ!じゃあ一人で行ってやろうじゃないか!
ひとり旅のゴージャスディナーはホテルのダイニングがおすすめ
10年以上前のバンコクでは女性一人でディナー(タイ人でもランチは一人で食べてる人もいる)と言うと「かわいそう!どうしてあなたは一人なの?」と「一言余計だ!」と突っ込みたくなる事を言う店員さんがいて、失恋後などは満面の笑顔で歯ぎしりすることもあった。そしてダメ押しのように隣のテーブルの子どもたちが「ママ―、なんであの人一人でビール何本も飲んでいるの?」と叫び、ママが「しーっ!」と子どもに目配せし、二重のダメージを受けたことがある。
最近でこそ訪タイ旅行者の急増に伴い、一人ディナーも浮かないレストランが増えているが、どうあがいてもカウンターの片隅に追いやられてしまう。私は最高の席で一人でディナーしたいんだよう!
そんな時は、ホテルのディナーを利用しよう。特にバンコクのホテルは「あれ?意外とお得」という平日限定のディナープランや、タイ舞踊が楽しめるシアターレストランもあり、選り取り見取りだ。
バンコク女ひとり旅・ホテルディナーの選び方
高級ホテルが乱立するバンコクにおいて、筆者が選んだホテルはアナンタラバンコクリバーサイドリゾート!選んだポイントは以下だ。
1)気取らない雰囲気
アナンタラバンコクリバーサイドリゾートはバンコク随一のリゾート感が自慢。このホテルにいるとプーケットやサムイに行かなくても良いような気がしてしまう...と、言うのは大袈裟だが(笑)、首都バンコクにあるホテルとは一線を隔す、スケールの大きなリゾートホテルだ。ドレスコードも厳しくなく、リゾートワンピースとヒールのあるサンダルが似合う雰囲気が最高!
2)タイ舞踊鑑賞が可能
女ひとり旅は、時間を持て余す。ディナーの時間にまでついスマホに目をやってしまう。そんな時の味方がショーだ。アナンタラバンコクリバーサイドリゾートのショーはお堅すぎる伝統芸能のタイ舞踊とは少し違い、カジュアルで楽しいと聞き、決定!
3)昔から大好きなホテルだった
1992年に建てられたアナンタラバンコクリバーサイドリゾートの建物。当時ロイヤルガーデンリゾートと言う名前で営業しており、都心のホテルとは全く異なる優美な姿にあこがれ何度も泊ってきた。当時は円高の上、宿泊費も2,000バーツほど。一部屋7,000円しなかったと記憶している(過去の自分が羨ましすぎて悶絶)。
その後マリオットに冠が変わり、アナンタラになり、宿泊費もどんどん上がっていったが、隙あらば1泊でも!と、泊まり続けてきた。
アジアンリゾートをこれでもかと具現化した館内のインテリアは、ホテルに身を置いているだけで「私は今、タイにいるのだ!」と感じさせてくれる。
4)実は移動が簡単。無料の送迎船が旅情を掻き立てる
アナンタラバンコクリバーサイドリゾートはバンコクの中心部から離れた川沿いにあるが、BTSサパーンタクシン駅のあるサトーン船着き場まで無料のシャトルボートが出ており、15分ほどの船旅が楽しめる。
バンコクと言えば、チャオプラヤー川。プチリバークルーズを無料で楽しめるなんて最高でしょう?
帰りも、もちろんサトーンの船着き場まで送ってもらえ、最後の船は23時40分。BTSの終電前まであるので安心だ。
5)たっぷり飲みたい筆者は泊まった
1部屋余裕で10万円超えする新ラグジュアリーホテルが登場する中、アナンタラバンコクリバーサイドリゾートはオフシーズンであれば3万円~4万円。予約サイトのセールが運よくあたったり、ちょっと円高の時に予約できれば、一部屋2万円台後半から3万円台前半で予約できる。
バンコクではかなりお得なホテルに泊まって、数日だけ贅沢なホテルライフを楽しむスタイルを貫く筆者。このディナー当日にアナンタラバンコクリバーサイドリゾートに宿泊。この時は運よくリバービューの部屋にアップグレード(自腹なので忖度ではなく、本来予約した部屋の備品が壊れていたための心遣いだ)してもらえたが、リバービューの部屋は一部屋5万円は覚悟すると良い。早く円高になれっ(神頼み)!
いざ、リバーサイド・テラスのディナービュッフェへ!
ホテルに宿泊すると、ホテルディナーがお得になる場合も多い。そんなこともあり、一度はホテルのダイニングでディナーを楽しむのも良いものだ。この日の宿泊者限定リバーサイド・テラスのディナービュッフェ価格は1,900バーツ(税・サ込)。まだ何とか1バーツ4円と言い聞かせていたころなので、ラグジュアリーホテルにしては、約8,000円ちょいの料金でディナーできるなら、日本よりコスパが良いな!と思えた。
だがしかし、後々探したら、某オプショナルツアー予約サイトの方が安かった(泣)。超円安の昨今、100バーツ、200バーツの違いは大変な金額差。少しでもお得に予約したい人は一つのホテルディナーでも、目を皿のようにして探した方が良いだろう。
しかし、ホテルのゲストが直予約する場合、この後紹介するがちょっとお嬢様気分を味わえてしまうので、筆者はあえて前者をおすすめしたい。
服装はスマートカジュアルで十分
リバーサイド・テラスはディナーの時間帯でもカジュアルがドレスコード。筆者もカットソーとスカートだったが、気持ちキレイ目の服装で向かった。
巨大象さんがお出迎え
アナンタラバンコクlリバーサイドリゾートでは朝食をいただくダイニングでもあるリバービューダイニング「リバーサイド・テラス」。朝の爽やかな時間を何度も過ごさせていただいたが、ディナーで使うのはこれが初めて。
巨大な2頭の象は創業以来ずっとここに鎮座しているので、訪れるたびに「元気だったあ?」と声を掛けてしまう。
ホテルゲストは最上席をリザーブしてくれている
席を予約する際、ホテルのフロントデスクを通して予約してもらったのだが、その際「ショーを楽しみますか?お写真を撮るなら6時から入って食事を済ませて見た方が良いですよ」と細かくアドバイスをいただいた。レストランのレセプションに立ち名前を告げると「〇〇〇号室の吉田様ですね。ショーを見るのに最適な席をご用意しました!」と、もう、阿吽の呼吸。
これだよ、これ。さすがアナンタラ。旅行会社やオプショナルツアー会社で予約する方が安いかも知れない。だが、ホテルゲストと外部からのゲストは明らかに対応が全然違う。
せっかくゴージャスに過ごしたい貴重な日。ひとり旅ならなおさらこんな扱いされるとうれしい。
夜はチェンマイやチェンライに見られる「ランナーランプ」で装飾されていた。思わず景色に見惚れ、深く深呼吸。チャオプラヤー川と言うバンコクの象徴を最大限に使ったタイのおもてなしだ。そんな光景が広がっている。
ショーより会話を楽しみたい人たちはこちらの川が正面にくる席をリザーブすると良し。
筆者は何せひとりで手持無沙汰なので、ショーを満喫しようと息巻いていたのだが、最初の席があまりにも最前列ど正面すぎて、横にずらしてもらった(笑)。かぶりつきで見ていると、一人だといじられそうで恐い。
評判の「リバーサイド・テラス」のビュッフェ料理は?
さて、ショーの前に料理をチョイス!
「海外のホテルのビュッフェって、ファミリー向けで気が乗らない」なんて時代はもう終わった。そこにあるのはめくるめく食のパラダイス!
寿司・刺身・蟹・生ガキに和牛ステーキ!ごちそうに目がくらむ
まずタイのビュッフェにおいて、刺身と和牛ステーキを制するのはビュッフェを制したと同じ(言い過ぎ)。何においても、この2つは2回転以上すべし。それくらい、タイでは刺身は人気の上にお高いし、和牛はもっとお高い。
たっぷり脂の乗ったノルウェーサーモンと、日本では今マグロより価格が上がっているタコをゲット。この後もう2回取りに行ったのは秘密だ。あ、書いてしまった。
そして和牛ステーキゲット。
タイの和牛は日本産の和牛ではない可能性もあり、お店によっては焼き方が残念な場合もあるけれど、見てください、これ!
所謂サシが入ったタイプではないけれど、完ぺきなミディアムレア。大好きな焼き加減だ。
いやいやいやいや、このラインナップ見て!エビ、カニ、カキ、ムール貝。そしてテーブルまで豪華オイスターボックスで運ばれてくる「本日の牡蠣」は、驚愕の広島産。以前は日本の食材を出す店は超高級店だった。ビュッフェの食べ放題で日本の仲間に出会ってしまうとは、超円安が身に染みてわかる瞬間だ。
陽気なスタッフがかまってくれるので全然寂しくない
グリル担当のスタッフが元気いっぱいだったので、写真を撮って良いかと聞くと、ガハガハ笑う先輩が草食系の後輩に「おい!ポーズとれ!」と指導。
他のスタッフも明るく、コミュニケーションが楽しくて仕方がない。こりゃ、どんなに寂しい人がひとりぼっちでここに来ても、絶対に楽しいに違いない。
アルコール3時間半フリーフローがお得!タイではありえない安さ
あまりにも空腹すぎて前菜に牡蠣やシーフード、サラダなんぞをいただかなければならないところ、お寿司とお肉グリルでスタートになってしまった。まるで挨拶もせずにいきなり愛を告白する危ない奴みたいじゃないか。
しかしビュッフェの良いところは、好きな物を好きなだけ食べられるという所ではないだろうか。
今宵は贅沢してタイではちょっとお高いワインでも、とメニューを見て、視力が急に0.1以下になったのかと思うほどショックを受けた。グラスワイン最安で360バーツ++(税サ別)。1杯1,700円くらいするの?じゃ、じゃあビールにしようかな?と小刻みに震えていた所、メニューに挟まれていた一枚の紙、いや神が舞い降りた!
スパークリングワインや、赤・白複数種のワイン込みのフリーフロー900バーツnett(税サ込)と書いてある紙だ!
タイでワインを飲もうとすると、最も安価に多くの種類が楽しめる「ワインコネクション」を思い出すのだが、量を考えると明らかにこのダイニングの方が安い。
フリーフローなのに、2024年5月当時のレートで4,000円くらい?
飲み放題入れると食事の額は12,000円超えるけど、ラグジュアリーホテルのディナーでワイン3時間半飲み放題。日本ではありえないほどコスパが良い。
「これ!これにしてください!」
女性スタッフはひとりの筆者がそれを指定しても、特に驚くこともなく笑顔で「かしこまりました。フリーフローのワインの種類に好みがあったら、何でも私に聞いてくださいね」と言ってくれる。
彼女は筆者がどれくらい飲めるのか、まだ知らない。
まずは泡からいこうじゃないか!
リバーサイド・テラスのタイ舞踊ショーが幕を開ける!
料理は取った。ワインはグラスは空けば、どんどん注いでくれる。最高の環境を手に入れチャオプラヤー川の風に吹かれていると、かがり火がたかれ、太鼓の演奏でショーが始まった。
日本の和太鼓にも共通する勇壮な演奏に合わせ、タイ舞踊が繰り広げられる。
古典的な伝統舞踊ではなくアレンジを加えた舞踊ショー
お次は黄金の衣装を纏った美しい半人半鳥の女神、キンナリーたちが登場。
王宮や寺院の装飾にも見られるインド神話の神様で、仏教の布教の影響で、日本にも緊那羅(きんなら)という神として伝わっている。キンナリーたちは、ゲストの席をまわってくれて、サービス精神もたっぷり。
リバーサイド・テラスのタイ舞踊ショーはタイ各地の伝統舞踏を現代風にアレンジしたエンターテイメント性の高いショーや、各神話に登場する神様の舞踏シーンのみを表現したものが多い。
もはやダイニング全体がステージのようにダンサーは縦横無尽に舞い踊る。
こちらは農耕や漁を舞踊にしたショーで、筆者は勝手に「捕まえてごらんなさいよショー」と心の中で名付けた。男性が魚の網を持って愛しい女性をふざけながら追いかけるコミカルで明るい振り付けが楽しく、自分のテーブルに来た時には自分も一緒に走り出しそうに...。
タイのラグジュアリーホテルの中には、『ラーマキエン』に代表される正統派の古典舞踊をしっかりと見せてくれるホテルもあり、好みはわかれるところ。
アナンタラバンコクリバーサイドリゾートは、バンコク屈指のリゾートの雰囲気と、ファミリーが多い客層から、子どもから大人まで退屈せずに楽しめる演出にしているようだ。
そして休憩を挟むので、料理もワインもますます進んでいく。
北タイの鹿神が激しく舞い踊るクライマックスは大盛り上がり!
さて、ショーのクライマックスはチェンマイ・チェンライなどの北タイや、ミャンマーに住むタイヤイ族(シャン族とも呼ばれている)の舞いに現れる鹿神が登場!
日本にも鹿の神様が登場する舞いがあり、やはりアジアの神話はどこかでつながっている。そんな背景も非常に興味深い!タイでは鹿神はトゥーまたはトゥナーヤーと呼ばれ、祭りでは大人気。もちろん鹿神も各テーブルをまわってくれる。
おかしいな。頭の中に『もののけ姫』の米良さんの歌声が響き渡る。よく見たらエビフライみたいだな、などと考えていたら...
あっ!ロックオンされた!
うわー!キターーー!
説明しよう!実はこの鹿神、人間が2人で一体の鹿神を演じている。しなやかに、可愛らしく演じているが、中は汗だく、必死なのだ!
ひとりだから、鹿神さんとも2ショット(中の人は2人いるので3人だけど)。
フリーフローはまだまだ続く
ところで覚えているだろうか。筆者がオーダーしたワインのフリーフローは3時間半も飲めてしまう。20時すぎにショーが終わってもまだまだ飲める。
しかしもうお腹はいっぱい。と言う訳でテーブルを、ディナーが終わったステージ前から川沿いのスペースへ移動することにした。
ショーが終わると大部分のレストランゲストは外に出てしまうようだ。館内のバーに立ち寄ったり、お隣の同グループ施設アヴァニリバーサイドバンコクのルーフトップバーに立ち寄ったり、充実した施設を楽しむも良し、ボートでアイコンサイアムや、リバーサイドのナイトマーケット「アジアティーク」に繰り出したり、川とボートを駆使して様々な遊び方ができる。
先ほどのタイ舞踏ショーやスタッフの皆さんとの楽しい会話が嘘のよう。静かなテラス席となり、漆黒の闇とチャオプラヤー川の川風、そして時折通り過ぎるディナークルーズ船の煌びやかな光にうっとりしていると...。
「まだまだ飲めますぜ!」とスタッフさんがワインを注ぎに来てくれる。訪れた日はバンコクが大変暑い時期だったこともあり、キンキンに冷えた白ワインやスパークリングワインが止まらない。相変わらず水みたいにのんでいたものだから、結局「もうこの瓶、少ししか残ってないので、全部どうぞ」と、3時間半過ぎたころに、もう一度なみなみとワインを注いでくれた。
あまりの居心地の良さ、一人でも浮かないサービスに全く腰が上がらなかった。バンコクのひとりビュッフェさいこーう!
と...店内を振り返ったら、ゲストはもう自分しか残っていなかった。
大変お世話に、いえ、なんだか、申し訳ない気分になりつつ部屋に戻るのだった。
ホテルのバーも素敵。別の場所で飲める余裕も残したい
とても恥ずかしい話なのだが筆者はこの日、ワインを14,5杯は飲んだ。ワインのボトルに換算すると2本以上空けてしまった計算だ。翌日、チェックアウトの時間を少しずらしてもらうくらい、2日酔いだったことを告白しておく。
フリーフローで完全に元を取った、いや、得をしたかもしれないが、もう少し優雅に飲むべきだったと反省している。
ただ、こんな飲み方、海外のひとり旅では絶対にやるべきではないが、ホテル内なら安心して飲めるということは間違いない。なんといっても部屋に帰るだけで良いのだから。
特にアナンタラバンコクリバーサイドは、川の至る所に、ドリンクが飲めるカフェやバーがあり、どこも南国気分を最高に高めてくれる。
次は食前酒、メイン、そして食後酒と場所を変え、もっと大人のひとり旅飲みをエンジョイしようと思った。
アナンタラバンコクリバーサイドのディナービュッフェはひとりでも楽しい!
女ひとりでラグジュアリーホテルのビュッフェに突入してみたが、本当に、心から楽しかった。ビュッツフェ自体がある程度の価格だからと、ホテル以外でもなかなかありえないお得なフリーフローを用意してくれるなど、実は使えるアナンタラバンコクリバーサイドリゾート。
ちょっと困った一人の時間、こんな楽しみ方もあることを覚えておいてほしい。
最後に、鹿神様からひと言「演目は曜日によって変わるよ!」