チェンマイ人気レストランはミシュラン常連!美味しいチェンマイ料理をフアンムアンジャイで食べよう
タイ北部のグルメをチェンマイで満喫!
チェンマイはチェンライで開かれたランナー王朝が1296年に遷都した古都。今もタイ第二の都市であり「北方のバラ」と例えられる自然豊かな美しい都市だ。ランナー王朝は、ゴールデントライアングルと呼ばれる3つの国の国境に近いチェンライのチェンセンから始まった経緯もあり、ミャンマー・ラオスと同じ一つの国だった時代や、ミャンマーに統治された時期もある。そういった歴史背景から3つの国の食文化が交差した都市。さらに現在の中国雲南省から逃れてきた雲南回族がもたらした麺料理「カオソーイ」も有名で、チェンマイを含む北タイは、独自の料理を持つエリアでもある。
北タイ料理はまろやかで辛くない
ヤムウンセンを食べていたら、インゲンと間違って青唐辛子を噛み、舌を突き刺すような辛さに襲われ「ひぃひぃ」とのたうちまわったり、オーダーの際「辛くして!」と迂闊に言ってしまったトムヤムクンの想像以上の辛さで、翌日トイレで地獄を見た、なんていう話はタイ旅行では普通の話だ。
しかしチェンマイ料理でもある北タイの料理は、比較的まろやかで、辛くない料理の方が多い。あっ!完全に言い切ると語弊があるので(笑)少ないが辛い料理もある、と言っておこう。だから、辛い物好きのあなたにも安心してほしい。
例えば北タイでバクバク野菜が食べられる料理と言えば「ナムプリックオーン」。大抵は過熱した(蒸すor茹でる)野菜か生の野菜を、赤唐辛子・ナンプラー・トマト・挽肉を使ったミートソースのような味のディップにつけて食べる。これは子供でも食べられる程度の辛味しかないが、それとは少し様子が違う緑色のディップ「ナムプリックヌム」が添えられている場合がある。
これは緑の唐辛子をつぶしたソース。辛くない訳がないが小さくて激辛のプリックキーヌ―とは異なるため、そこまでの辛味はない。北タイ料理はまったりとした味が多いので、食事にさわやかなインパクトを与えてくれる。
北タイ料理がすべて揃う店ってあるの?
チェンマイのパブやカフェなど多くの店に一部の北タイ料理は置いてある。しかし「代表的な北タイ料理全部食べたい」と言うと、北タイ料理専門店に行く必要があり、チェンマイには沢山店があるので心配する必要はない。しかし「できるだけ美味しい北タイ料理を食べたい」となると、味の好みは人それぞれとはいえ、限られてくる。
安心していただきたい。今回は「ここなら絶対美味しい!」と胸を張って言える心からおすすめできる北タイ料理屋を紹介したい。
ミシュランビブグルマンの常連「フアンムアンジャイ」
タイ人のチェンマイ観光客にも、地元チェンマイのタイ人にも、そして外国人観光客にも「北タイに行ったら絶対にあの店で北タイ料理を堪能しよう!」と言われてしまう名店が「フアンムアンジャイ」。
「アイアンシェフ(タイ版料理の鉄人)」で人気を得てからなお、ミシュランタイでビブグルマンを獲得。一軒家レストランだが、いわゆる高級路線ではなく、素朴な木造の民家のような造りで、ほっこりと落ち着く。
日本のタイレストラン「チャオタイ」の姉妹店って知ってた?
実はこの「フアンムアンジャイ」は横浜や川崎、渋谷に展開するタイ王国大使館認定のタイ料理レストラン「チャオタイ」の姉妹店。まさか日本にあるタイ料理レストランの姉妹店がチェンマイにあり、ミシュランに掲載されているなんて驚きの展開だ。我ら日本人には、ちょっと誇らしいポイントかもしれない。
この日はお腹を空かせて午前オープン時間から突入。しかしすぐに満席に。
めくるめく北タイ料理を堪能!
私は10年ほど前、チェンマイ在住の友達に連れられてこの店を訪れて以来、完全にこの店にハマり、チェンマイを訪れるたびにこの店に通うようになってしまった。とにかくどの料理を食べてもハズレがないというか「くぅ、うまい!」と声が出てしまう美味しさの上に、そこまで高くはない。町の食堂よりはちょっと高いけれど、バンコクの同じレベルのお店と比較したら驚くほど安い。
まずは私の大好きな料理から順に紹介していきたい。
ゲーンハンレー
私がタイ料理で一番好きな料理が、北タイ料理の一つ「ゲーンハンレー」。豚肉の煮込みというか、カレーと言うか、ポークシチューというか、いずれにも当てはまる外見と味の料理。
見て!このごろっとした豚肉!てりってりのつや!このゲーンハンレーが食べたくてチェンマイに足しげく通ってしまう。
フアンムアンジャイのゲーンハンレーは、ちょっとタマリンドの風味が強く、甘みも感じるが、しょうがが味をひきしめてくれる。
タイ語が少しわかる人は「ゲーン」がタイ語でカレーなど汁のある料理に使われることを知っていると思う。しかしハンレーというのは何?タイ語ならムーが豚肉なのでは?と疑問を感じるだろう。
実はこの「ハンレー」とはミャンマー語で豚肉のこと。ミャンマー由来の料理なのだ。
ナムプリックナムプ―
チェンマイではタケノコもよく食べられる。タケノコ好きにはたまらない料理がこちら!ナムプリックナムプ―。
蟹味噌と唐辛子のディップに、茹でたタケノコをつけて食べるシンプルな料理なのだが、穂先の柔らかい部分と、根のコリコリした部分が両方楽しめ、食感最高!我ら日本人にとってはタイ料理に飽きたころ食べると「こういうのが食べたかったんだよ!」と叫んでしまいそうになる味だ。ディップが適度に辛いのも心憎い。ビールが進んで止まらなくなるのが唯一の困った点だ。
チェンダーのスープ
北タイにしか自生しない植物「チェンダー」という植物の葉のゲーン。
汁物っぽいシャビシャビ感なので、ゲーン=カレー的表現ではなさそうだ。くせのない葉は、もりもりと食べられ、具材にトマトが入っているせいか、すっきりした味わいだ。ちなみに「チェンダー」を使った料理は卵と炒めたものもあり、こちらもおすすめ。
カオソーイ
北タイ料理の中で最もポピュラーかつ、最近は日本でも食べられるタイ料理レストランが増えたカオソーイ。日本人のファンも多いタイのカレーヌドル的存在だ。
現在の中国雲南省で起こった「パンゼーの乱」をきっかけに国境を越えた中国系ムスリム雲南回民(チン・ホー族)が、ミャンマー、ラオス、そしてタイに定住した際に持ち込まれた中国由来の麺料理でもある。
フアンムアンジャイのカオソーイは優等生的味わいで、万人受けする。カオソーイ専門店でも、麺が柔らかすぎる店があるというのに、このお店は麺も適度にモチモチしており、我ら日本人には喜多方ラーメン風の麺に感じるかも?食事の締めに丁度良い量もありがたい。
フアンムアンジャイのカオソーイを含め、チェンマイのカオソーイについては以下の記事に詳しく書かせていただいたので合わせてチェックを!
オーデップムアン
グループで訪れたなら外せないのがオーデップムアン。北タイの料理を少しずつ小鉢に盛り、お盆に盛った「オードブル盛り合わせ」的存在。
チェンマイ名物の豚の皮の素揚げ「ケープムー」と、茹でた野菜は前述したナムプリックオン(トマトと挽肉のディップ)とナムプリックヌム(緑の唐辛子のディップ)につけていただく。こちらも前述した「ゲーンハンレー」、チェンマイのソーセージ「サイウア」などが乗せられてくるので、2名だとこれでお腹いっぱいになってしまうことが多い。前菜にするなら4,5人でこれをつつき、メイン、しめ、デザートと進むのがいいだろう。
お酒を飲みつつゆっくり食事する派は開店時に入店を
コロナ禍前は、開店から閉店まで、通し営業していたため、人気店だがランチやディナーの時間をずらせば、ダラダラお酒を飲みながら長居ができたものだ。
しかし、コロナ禍が明けて以降、ますます人気店になってしまった今は、定休日ができ、ランチとディナーの間にアイドルタイムができてしまった。
混み合う時間しか入店できなくなってしまったのだ。それでもゆっくりお酒を飲みながら楽しみたいなら、夕方オープン時の17時には予約して、入店してしまうことをおすすめする。ランチは人の出入りが激しく、ゆったり飲むには申し訳なく気が引けてしまう。まあ、それでも飲んで長居したい時には、長居してしまうのだが(笑)。
私自身は「味の好みは千差万別ある」と言う考え方なので、あまりゴリゴリ「この店最高っす!ここが一番!」みたいな強い進め方はしないほうだが、この店は別!チェンマイ旅行をするなら一度は訪れてほしい。絶対に損はしないはずだ。
Huen Muan Jai(フアンムアンジャイ)
所在地:24 Ratchaphuek Alley, Tambon Chang Phueak, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai
営業時間:11時~15時/17時~21時
定休日:水曜日
公式情報:Facebook