コロナの逆風を力に変える!「web面接」徹底解説
こんにちは。「すべらない転職」を運営、人材紹介事業を行うアクシス株式会社代表の末永雄大です。
Yahoo!ニュース上では2013年より「働き方3.0」というテーマで発信をさせていただいています。
最近は新型コロナがメディアの中の出来事ではなく、小中高の休校に始まり、働き方や採用手法の変化など現実にも影響が及んできました。
3月4日時点の発表によると国内で1000名以上が感染、死者も12名と、国内でも蔓延の波が広がっていますね。
この記事を読んでくださっている方の中には社内でのマスク着用、原則在宅ワークの徹底など、早急な対応を進める経営者や人事の方もいらっしゃると思いますが、どうか無理はなさらずお過ごしください。
新型コロナによる採用活動への影響
さて、そんな中最も変化が求められているのは採用活動場面ではないでしょうか?
特に先日3月1日に解禁したばかりの新卒採用ではコロナによる打撃が顕著です。リクナビやマイナビなどの合同説明会の中止や、各企業におけるインターンシップの中止、リクルーター面談のオンライン化などが見られます。
就活生にとっての不安の高まりだけでなく、中長期にわたり計画を進めてきた企業の方々にとっても苦しい決断だったのではないでしょうか?
そんな中オンライン合同説明会を推進したマイナビやワンキャリアを始め、各企業が電話対応やTwitterでの個別DM対応、web面接への変更など、柔軟な対応を進める企業が数多く見られます。
また、候補者に自由な時間が少ないことから既にweb面接が広がっていた中途採用においても、説明会が中止されたり対面での面接がweb化するなど、新型コロナによるweb面接のさらなる広まりも見られています。
web面接の広まりと役割増大
エンワールド・ジャパンが2月27日に発表した「新型コロナウイルスの感染対策に関するアンケート」によると約6割の企業が中途採用において「採用面接・面談をオンライン化」を実施していると回答しました。
弊社の人材紹介事業のクライアントさんからも、「元々web面接を行っていたが最終面接までそれを広げた」「説明会をしていたもののそれを中止しweb上の一次面接で代替するようにした」との声も聞こえました。
web面接に期待される役割が増大していることが分かりますね。
さて、インターネット環境下で声だけの情報でなくwebカメラを介して表情からも情報を得ることができ、どこからでも面接を受けられるweb面接ですが、面接会場に行かなくてもいいためリラックスしやすい、という求職者側からのメリットばかりでなく、求職者・企業・社会にとって三方よしのメリットがあるんですね。
web面接のメリット
地域格差の是正
まずは、地域格差の是正です。
都内で就職または転職したい求職者は、面接までの交通費や移動時間がかかりますが、web面接の実現によりこれが不要になり、金額や時間という制約により受けられなかった企業も受けられるようになります。
さらにこれは企業側にとっても地方の優秀な候補者と接点をもつ機会が増え、さらにはキャリアの地域格差という社会問題を解決することができるというメリットがあります。
マッチング精度の高まり
次に、マッチング精度の高まりです。
企業側はオンライン面接を録画するという機能を用いれば、それを社内メンバーに共有することができるようになります。
これにより特定の面接官の主観的な目線による偏りを防ぐことができ、求職者にとっても企業側にとっても好都合なwin-winの採用に繋がりますね。
これは日本人の約40%しか感じていないという「働く喜び」を感じられる人を増やすという社会貢献にも繋がることが考えられます。
web面接のデメリットと解決策
一方で、メリットばかりに見えたweb面接にももちろんデメリットもあります。
風土や雰囲気が伝わりづらい
最大のデメリットは、会社独自の風土や文化、空気感が伝わりづらいということです。
というのも、面接で会社に訪問した際、通りすがりの社員が挨拶を返してくれるか、机の上の整理整頓はされているか、などの会社に訪問しなければ分からない特徴を知ることがweb面接では難しいからです。
そのため、複数の社員との面談・面接の機会を設けたり、社内の様子をカメラを動かして分かりやすく伝えたりするなど工夫をすることで、webカメラを介しても風土や雰囲気が伝わるよう努力することが企業側に求められているのではないでしょうか?
さらに、求職者も同様に独自の個性や雰囲気が伝わりにくいため、対面面接の場合よりも強弱や抑揚に注意したり、表情や身振り手振りを介して感情を伝える動作を活用することが必要ではないかと考えられます。
web上ならではの不具合の可能性
2点目に「webの不具合」という落とし穴があります。
Wi-Fiの弱い環境を選んだことで、音声や画像が途切れたり、フリーズしたりという問題が起きてしまう可能性や、日頃使用しているワイヤレスイヤホンにマイク機能がついていなかったことにより相手に音声が届きにくい、といった問題が起きてしまう可能性があります。
そのため、事前に求職者側で準備をすることはもちろんですが、企業側としても事前に注意事項を共有することができたら大変丁寧で好印象ではないかと思います。
- Wi-Fiのスムーズに通る環境かどうか事前に確認する
- マイク付きイヤホンを使用する
- 前を向いて自然なカメラ目線をする
その他にも、服装は見える上だけでなく下もフォーマルに揃えたり、周囲の雑談に気をつけたり、面接終了後にお礼のメッセージを送ったりするなど、web面接ならではの注意点に気をつけましょう。
おすすめのweb面接ツール
また、web面接が広まっていく中でweb面接で使用するツールは無料のものから有料のものまで多数存在しています。
いざweb面接を始めようとなった場合、どのツールを使用すればいいのか悩まれる企業の担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで簡単にどのようなツールがあり、どのような強みを持っているのかまとめてみました。
4種類の無料ツール。目的や回避したいリスクで選ぼう
無料のweb面接ツールは主にZoom・Skype・Whereby(旧Appear in)・Hangouts Meet by Googleの4種類があります。
web面接を行う上で想定されるリスクのうち最も回避したいものや面接中に使いたい機能などでどのツールが適切かは変わってきます。
例えば、「web面接ならではの面倒臭さによるキャンセル」というリスクを回避したいと考えた場合、アカウント登録及びPC上でのアプリダウンロードが不要なHangouts Meet by Googleが最も適しているかと思います。
ちなみに弊社のようにGsuiteを活用していたり、google documentなどを活用している会社であれば、資料共有の便利なHangouts Meet by Googleが向いているかもしれません。
一方で、「通信の不具合」というリスクを回避したい場合にはSkype、バランスの良さとしてはWhereby、面接よりも大規模なセミナーや説明会にはZoomなど、目的により使用するツールを選んでいくことがおすすめです。
採用管理を一気通貫して行える有料ツールも
最近では、採用分析やステータス管理、日程調整などの採用管理まで一気通貫して行える有料ツールも広まってきています。
中でもスタジアム社のインタビューメーカーやZENKIGEN社のHARUTAKAなどのツールが有名です。
これらの特徴は、web面接の役割を超えた採用管理というところに特徴があるのではないでしょうか?
有料のweb面接ツールは、ある程度採用人数の多い大手企業やメガベンチャーなどで有効ですね。
というのも、採用人数の少ない企業では一人一人の求職者を深く知り管理することは難しくないのですが、採用人数が多くなるとエントリーシートを全員分目を通すということですらかなり大変な作業であり、しかもそこから自社に合う人や想いの強い人を見出すのはかなり手間がかかります。
そこで、エントリーシートだけでは分かりづらい求職者の雰囲気や動画選考を行えたり、SPIの管理もできたりするこれらの有料ツールを使うことで、採用のスマート化をはかることができそうですね。
web面接で逆風を力に
突如現れ日頃の生活のみならず採用にまで影響を及ぼしてきた新型コロナですが、web面接のツールを駆使したりデメリットを克服する工夫をしたりして、逆風を「採用の地域格差の是正」や「採用マッチング精度の高まり」へ向かう力に変えていきましょう。