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来週は南岸に前線が停滞し梅雨の様相 一番早い梅雨入りは沖縄4月20日・奄美4月25日

饒村曜気象予報士
雨の街並み(提供:イメージマート)

南岸低気圧の通過と移動性高気圧

 令和6年(2024年)4月18日は、本州の南岸を低気圧が通過に伴って、ほぼ全国的に雨となりました(図1)。

図1 南岸低気圧が通過した4月18日15時の地上天気図と衛星画像
図1 南岸低気圧が通過した4月18日15時の地上天気図と衛星画像

 しかし、19日は、移動性高気圧に覆われ、南西諸島と西日本、東日本では晴れて、最高気温は平年並みか平年より高くなる見込みで、5月中旬並の所もありそうです。

 ただ、大きな移動性高気圧でないため、北日本は雲が多く、所によって雨ですが、最高気温は平年並みか平年より高くなるでしょう。

 今週末は、この移動性高気圧の後を追って、前線を伴った低気圧が接近・通過する見込みで、西日本から東日本では雨の所が多くなる見込みです(図2)。

図2 予想天気図(左は4月19日9時、右は20日9時の予想)
図2 予想天気図(左は4月19日9時、右は20日9時の予想)

 そして、この低気圧が通過する来週は、前線が本州南岸に停滞する見込みです。

 曇や雨の日が増え、走り梅雨の様相となる見込みですので、19日~20日の晴天を有効に使いたいものです。

16日先までの天気予報

 ウェザーマップでは、16日先までの天気予報を発表しています。

 東京の16日先までの天気予報では、降水の有無の信頼度が5段階で一番低いEや、ニ番目に低いDが多く含まれている予報ですが、来週は傘マーク(雨)や黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)が多い予報となっています(図3)。

図3 東京の16日先までの天気予報(ウェザーマップによる)
図3 東京の16日先までの天気予報(ウェザーマップによる)

 再来週になると、お日様マーク(晴れ)や白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)が多くなっています。

 しかし、南西諸島の16日先までの天気予報は少し様相が違っています。

沖縄と奄美の梅雨入り

 那覇の16日先までの天気予報をみると、今週も来週も黒雲マークが多く、お日様マークは少ないのですが、傘マークの日は2日しかありません(図4)。

図4 那覇の16日先までの天気予報(ウェザーマップによる)
図4 那覇の16日先までの天気予報(ウェザーマップによる)

 沖縄地方は、前線が停滞しやすくなっているものの、梅雨入りとはいえなさそうです。

 沖縄地方の梅雨入りの平年は5月10日ですが、昭和26年(1951年)の統計開始以来、最も早い梅雨入りは、昭和55年(1980年)の4月20日です(図5)。

図5 沖縄地方の昭和26年(1951年)以降の梅雨入り
図5 沖縄地方の昭和26年(1951年)以降の梅雨入り

 昭和55年(1980年)は、全国的に冷夏となった年です。

 令和6年(2024年)は、4月20日より早い梅雨入りの可能性は少ないと思われます。

 ただ、鹿児島県奄美地方・名瀬の16日先までの天気予報では、那覇より黒雲や雨の日が多くなっています(図6)。

図6 鹿児島県・名瀬の16日先までの天気予報(ウェザーマップによる)
図6 鹿児島県・名瀬の16日先までの天気予報(ウェザーマップによる)

 再来週は、降水の有無の信頼度が5段階で一番低いEや、ニ番目に低いDが多く含まれている予報です。が来週の予報は精度が一番高いAや二番目に高いBが含まれている予報です。

 これは、前線が停滞するのが奄美大島付近であることを意味し、沖縄地方より先に奄美地方が梅雨入りの可能性があります。

 奄美地方の梅雨入りの平年は5月12日、過去最早は平成10年(1998年)の4月25日ですので、ひょっとしたら、過去再早の可能性もあります(図7)。

図7 鹿児島県奄美地方の昭和26年(1951年)以降の梅雨入り
図7 鹿児島県奄美地方の昭和26年(1951年)以降の梅雨入り

 ただ、4月25日までに梅雨入りしなくても、奄美は梅雨入り近しの「走り梅雨」にはなりそうです。

 今年も大雨シーズンが近づいていますので、大雨対策を始める時期に来ています。

図1の出典:ウェザーマップ提供。

図2の出典:気象庁ホームページ。

図3、図4、図6の出典:ウェザーマップ提供。

図5、図7の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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