緩んだ冬型の気圧配置で師走入り 短い秋から冬らしい天気に
短い秋の終わり
令和6年(2024年)も12月を残すだけとなりました。
令和6年(2024年)11月30日は、西高東低の気圧配置がゆるみ、等圧線の間隔がやや広くなってきましたが、日本海の雪雲の発生位置が大陸沿岸から離れてきました(図1)。
大陸沿岸から雪雲の発生位置までの距離を離岸距離と言いますが、この距離が短いほど強い寒気の南下を意味します。
逆に、離岸距離が長くなるということは、寒気の南下が弱まっていることを意味します。
10月中旬までは全国の半分は最高気温が25度以上という夏日という日はありましたが、それ以降は最低気温が0度未満の冬日が増え始め、11月上旬以降は主役が夏日から冬日に変わっています(図2)。
11月30日に全国で気温が一番高かったのは、東京都小笠原諸島の父島の25.3度で、夏日を観測したのは父島のみです。
そして、冬日を観測したのが277地点(全国で気温を観測している914地点の約30パーセント)でした。
寒気南下の程度によって、府不備を観測している地点数は夏日を観測している地点数を上回ることはなくなり、暑い暑いといっているうちに、短い秋は終わって冬になろうとしています。
東京(東京都心)の最高気温と最低気温
令和6年(2024年)の東京は、記録的に気温が高い年となりました。
最高気温が25度以上の夏日を最初に観測したのは3月31日、最高気温が30度以上の真夏は6月12日、最高気温が35度以上の猛暑日を最初に観測したのは7月4日、最低気温が25度以上の熱帯夜を最初に観測したのは7月4日と、いずれも平年より早くなっています。
そして、10月になっても暑い日が続き、猛暑日は20回、真夏日は83回、夏日は153回、熱帯夜は47回もありました(図3)。
東京は、明治8年(1875年)6月5日以降の気象観測がありますが、東京の夏日日数は、昨年(2023年)の140日を抜いて歴代1位、猛暑日、真夏日はともに昨年に次ぐ歴代2位の記録となりました。
また、平成25年(2013年)10月12日を抜いて、最も遅い真夏日となりました(表)。
12月に入って最初の週も、平年より気温が高い日が続く予報ですが、季節が進んで、平年値もかなり低くなっています。
平年より高いといっても、ひところの暑さではありません。
そして、来週は再び寒気が北日本を中心に南下し、東京は平年並みの気温に下がる見込みです。
東京も、全国的な傾向と同じく、暑い暑いといっているうちに、短い秋は終わって冬になろうとしています。
対照的な新潟と東京の天気
日本の冬は、一般的には、日本海側では雪や雨が降り、太平洋側では晴れることが多いという対照的な天気となります。
ウェザーマップの16日先までの予報をみると、今年の12月は、一般的な冬の様相です(図4)。
東京では、半月にわたってお日様マーク(晴れ)と白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)が続く予報です。
これに対し、新潟では、お日様マーク(晴れ)があるのは12月2日だけです。
ほとんどの日は傘マーク(雨)か雪ダルママーク(雪)です。また、東京とは違い、雲は黒雲マーク(降水の可能性がある曇り)であり、来週の予報には稲妻マーク(落雷)までついている予報です。
今週の週末は、今冬一番の寒気が北陸から北日本に南下してくる見込みです(図5)。
平地でも雪が降る目安となる、上空約1500メートルでマイナス6度線は北陸から北日本、大雪の可能性の目安となるマイナス18度線は北海道に入ってくる見込みです。
今週末の末の北陸から北日本では、最新の気象情報を入手し、警戒してください。
図1、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。
図2の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図3の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
表の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。