大怪我のちょうど1年後、まったく同じ日に復帰したドラフト全体1位が、本塁打を含む4打点を挙げる
昨シーズン、ロイス・ルイス(ミネソタ・ツインズ)のメジャーリーグ1年目は、出場12試合目に中断された。5月29日の試合で、センターを守っていて、フライを捕った直後にフェンスへ衝突。当初は右膝の打撲と診断されたものの、靱帯の断裂が判明し、翌月上旬に手術を受けた。この時点では、メジャーリーグで――間にAAAでプレーした10試合を挟み――打率.300(40打数12安打)、2本塁打、4二塁打、5打点を記録していた。
ちょうど1年後の同じ日に、ルイスはメジャーリーグへ復帰した。5月29日の試合に、「5番・三塁」として出場。そして、2打席目にライトのポール際に飛び込む3ラン本塁打を打ち、5打席目のシングル・ヒットでも1打点を挙げた。
ルイスは、2017年のドラフト全体1位だ。年齢は、来月5日の誕生日で24歳となる。もともとは遊撃手だが、ツインズの遊撃にはカルロス・コレイアがいる。昨オフにツインズからFAとなった後、コレイアは、2度の契約合意→白紙――サンフランシスコ・ジャイアンツとニューヨーク・メッツ――を経て、6年2億ドル(2023~28年)の契約でツインズに戻った。少なくともあと数シーズンは、コレイアが遊撃を守り、ルイスは三塁手としてプレーする可能性が高そうだ。
ドラフト全体1位、膝の靱帯損傷、遊撃手→三塁手。チッパー・ジョーンズもそうだった。
チッパーは、1990年のドラフトで、アトランタ・ブレーブスから全体1位指名を受けた。1993年のシーズン終盤にメジャーデビューした当時は、遊撃を守っていた。翌年の開幕前に、エキシビション・ゲームで左膝の靱帯を損傷し、この年は全休。1995年の開幕戦で「3番・三塁」として復帰し、その後、一時はレフトを守ったものの、三塁手としてメジャーリーグ2年目を過ごし、ナ・リーグの新人王投票では、野茂英雄と僅差の2位に位置した。
ブレーブス一筋に40歳までプレーしたチッパーは、打率.303と出塁率.401、468本塁打、OPS.930を記録し、引退後は、資格初年度に殿堂入りしている。