約4000万ドルの契約が残っている選手をDFAとする。支払いを負担するのは、その球団ではなく…
ボストン・レッドソックスは、エリック・ホズマーをDFAとした。ホズマーは、来シーズンが8年1億4400万ドルの契約6年目だ。2023~25年の年俸は1300万ドルずつなので、あと3年3900万ドルが残っている。
DFAとなっても、ホズマーは残る金額を手にする。ただ、支払いを負担するのは、レッドソックスではない。
今年の夏、ホズマーは、サンディエゴ・パドレスからレッドソックスへ移籍した。パドレスがワシントン・ナショナルズからホアン・ソトとジョシュ・ベル(現クリーブランド・ガーディアンズ)を獲得する際、ホズマーは交換要員の一人とされた。だが、契約についていたトレード拒否権を発動。ホズマーの代わりにルーク・ボイト(現FA)がナショナルズへ移り、ホズマーは同じ日にレッドソックスへ放出された。パドレスは、ホズマーとマイナーリーガーの野手2人と交換に、マイナーリーガーの投手1人を手に入れた。
このトレードは、計4人が動いただけではない。パドレスは、ホズマーに対する支払いの大半も負担する。今シーズンの年俸もそうだったが、2023~25年の計3900万ドルのうち、レッドソックスが支払うのは、10分の1未満の222万ドルに過ぎない。規定で定められている各シーズンのミニマム・サラリー、2023年の72万ドル、2024年の74万ドル、2025年の76万ドルの合計額だ。パドレスは、3900万ドルから222万ドルを引いた、3678万ドルをホズマーに支払う。
ちなみに、トレードの直後には、こんなこともあった。
◆「トレード拒否とトレードが、地元で人気だった選手の「帰還」を生んだ!?」
レッドソックスは、カンザスシティ・ロイヤルズから獲得したワイアット・ミルズを40人ロースターに入れるため、ホズマーをDFAとして、ロースターに空きを作った。けれども、同じポジションの選手が入れ替わったわけではない。ミルズはリリーバー、ホズマーは一塁手だ。レッドソックスは、一塁のレギュラーとして、トリスタン・カーサスを起用しようと考えているのではないだろうか。
カーサスは、2018年のドラフト全体26位だ。来年1月に23歳となる。パワーと選球眼を備え、9月4日のメジャーデビュー以降、27試合で5本のホームランを打ち、打率.197ながら、出塁率.358を記録した。四球率は20.0%だ。
ホズマーは、このままレッドソックスを去ることになるだろうが、新たな球団は見つかるはずだ。近年は精彩を欠いているものの、2013~17年は、5シーズン中3シーズンで出塁率.350以上&OPS.800以上を記録し、ゴールドグラブを4度受賞している。年齢はカーサスより10歳上だが、まだ30代前半だ。年俸72万ドルなら、球団にとってリスクは皆無に等しい。
なお、レッドソックスは、吉田正尚の加入に伴い、こちらの選手もDFAとしている。