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大谷翔平の「81試合で24本塁打」をこれまでの同時点と比べると…。残りはあと81試合

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)Jun 25, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月25日、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、1回表にシーズン24本目のホームランを打った。

 今シーズン、ここまでのホームランは、ナ・リーグで最も多く、2位のマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)に3本差をつけている。ブレーブスは、6月25日の試合が雨天順延となった。ア・リーグにも、大谷よりホームランが多い選手は、29本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と25本塁打のガナー・ヘンダーソン(ボルティモア・オリオールズ)しかいない。

 この日は、ドジャースの81試合目。レギュラーシーズンは162試合なので、その半数を終えた。大谷は、ここからの81試合も、これまでと同じ本数のホームランを打つと、シーズン全体では48本となる。その場合、本塁打王を獲得した昨シーズンの44本塁打だけでなく、2021年の46本塁打も上回る。2022年は、34本塁打だった。

 過去3シーズン、ロサンゼルス・エンジェルスが81試合を終えた時点で、大谷が記録していたホームランの本数は、2021年が30本、2022年が18本、2023年は28本だ。また、この時点におけるホームラン1本当たりの打数は、2021年が9.03、2022年が16.33、2023年は10.93。今シーズンの24本塁打と12.88打数/本は、2022年より上ながら、2021年と2023年には及ばない。ISOも同様だ。

 ISOの計算式は「長打率-打率」。例えば、すべてシングル・ヒットで10打数10安打なら、「塁打÷打数」の長打率は、長打が0本にもかかわらず、10塁打÷10打数=1.000となる。それに対し、この場合のISOは、長打率1.000-打率1.000=.000だ。

筆者作成
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 なお、その後の81試合、エンジェルスの82試合目~162試合目に大谷が打ったホームランは、2021年、2022年、2023年のいずれも16本。打数/本塁打は、2021年が16.63、2022年が18.25、2023年は11.94だ。3シーズンとも、その後の81試合は、最初の81試合を上回っていない。

 もっとも、過去3シーズンと今シーズンは、登板の有無やチームの状況など、大きな違いがある。

 エンジェルスの過去3シーズンを81試合ずつに分けると、2021年が40勝41敗(勝率.494)と37勝44敗(勝率.457)、2022年が37勝44敗(勝率.457)と36勝45敗(勝率.444)、2023年は44勝37敗(勝率.543)と29勝52敗(勝率.358)だ。昨シーズンは、81試合目を終えた6月27日の時点でポストシーズン進出圏内に位置していたが、ワイルドカードの3番手だった。

 今シーズン、ドジャースは、50勝31敗(勝率.617)を記録し、ナ・リーグ西地区2位のサンディエゴ・パドレスに8.5ゲーム差をつけている。ちなみに、エンジェルスは、78試合を終え、32勝46敗(勝率.410)。地区首位とワイルドカードの3番手のどちらからも、10.0ゲーム以上離れている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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