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天皇皇后両陛下を歓迎した華やかな晩さん会 イギリス国内でどう報じられたのか? #専門家のまとめ

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
両陛下が訪英 チャールズ国王夫妻主催の晩さん会(写真・REX/アフロ)

日本から訪問された天皇皇后両陛下を歓迎して行われた、チャールズ国王夫妻主催の晩さん会は、荘厳であるだけでなく、温かさと親しみにあふれていた。チャールズ国王のスピーチでは、「英国にお帰りなさい」と日本語を交え、ポケモンやハローキティの話題まで飛び出し、日本とイギリスの深い繋がりを感じるものだった。

一方、現地イギリスでは、日本とはひと味違う切り口で、この晩さん会を報じていた。

ココがポイント

▼イギリスBBC(英国放送協会)は、選挙期間中のご訪問であるため、晩さん会での首相や政党の党首の座席に注目。

訪英中の天皇皇后両陛下、公式晩さん会に出席 総選挙直前で変更点も (BBCニュース)

▼イギリス・デイリーメールは、晩さん会の準備を行う舞台裏を公開。チャールズ国王とカミラ王妃が会場を視察も。

Inside Buckingham Palace state banquet: Royal Family shares behind-the-scenes clip showing preparations for the lavish event hosting Emperor and Empress of Japan (Daily Mail Online)

▼イギリス・デイリーエクスプレスは、カミラ王妃が故エリザベス女王の、超高価なティアラを着けていたことを話題に。

Queen Camilla wears highly controversial £7m Burmese Ruby tiara | Royal | News (Express)

エキスパートの補足・見解

日本では絢爛たる「ザ・マル」でのパレードや晩さん会の模様が報じられたが、イギリス国内では、各メディアとも独自の視点と切り口で、今回の両陛下ご訪問を詳細に伝えていた。

現在、イギリスは選挙期間中とあって、出席した首相らの座席に気を遣わなければならなかったとは、日本国内ではあまり報じられていない。一方、長年の友人でもある天皇皇后両陛下のご訪問は、チャールズ国王夫妻が晩さん会の準備にも携わるほど、嬉しいことだったようだ。そしてカミラ王妃のゴージャスなティアラにも、歴史上の逸話があったことも知った。

イギリス国内のいくつかの報道に目を通すと、今回の両陛下のご訪問がより詳細に、より立体的に伝わってくる気がする。イギリス国内でも大きな話題となっていることから、日英の友好が深まったことは間違いないようだ。

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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