お馴染み北海道銘菓のレア版!「あん入りべこ餅」はもっちり蓬生地でこし餡を包んだ珍しいべこ餅です
夏休みの人気観光地のひとつ、北海道。
北海道といえば広大な大地で育まれる乳製品や小豆が有名ですが、実は餅菓子文化が根付いている街としても有名です。諸説ありますが、海に囲まれた北海道では港で働く方々も多く、体力を要する人たちにとって手軽なエネルギー補給だったのではないかと。小麦の子イメージ方が強い北海道ですが、全国各地から船に乗って糯米なども運ばれてきたのではないかと推測。
その餅菓子文化のひとつ。北海道の子供の日には欠かせないツートンカラーのべこ餅ですが、ちょっと珍しいタイプを発見。今回は昭和38年創業、「曲正北島製パン」さんの「餡入りべこ餅」をご紹介。
一般的なべこ餅といえば、上新粉などをあわせた黒糖と生成りの二色の餅生地を葉っぱ型でくり抜き、笹の葉にのせて蒸しあげたもの。丸形や花形もありますね。模様はまだらだったり縦半分・横半分だったりとこちらも多種多様。
色はべこ餅の由来のひとつである「乳牛(白黒)」からきているといわれています。べこ、は東北や北海道の方言で牛の意。しかし、こちらのべこ餅は二色ではなく一色。白でも茶色でもなく、深い青緑色です。
たっぷりと蓬をあわせた上新粉の生地をお馴染みの葉っぱ型に成形し笹の葉で蒸しあげるのですが、じつはその中に秘密が。なんと、こし餡が包まれているのです!蓬入りの緑色のべこ餅も珍しいのですが、あんこが包まれているべこ餅は初めて出会いました!
葉脈のでこぼこにより生じるハイライトが、なんとも若々しさを演出しているではありませんか。スンと漂う清涼感は、北海道の端午の節句に作られるという季節感にぴったり。しかし、まだまだ暑い季節にいただく餅菓子としても嬉しいポイントです。
ぷるんとした弾力と、それ以上に伸びの良さと粘り気の強さが際立つほんのり甘い蓬餅は非常に食べやすいバランス。その中に包まれたこし餡はあっさりとしていて、あんこメインというよりも蓬餅にそっと花を添えるような慎ましやかな存在感ながらも、なかなかべこ餅としては味わうことのできない感覚です。
そういえば、青森県北部・下北地方にもべこ餅とよばれる餅菓子がありますが、そちらはきんたろう飴のようにカットしていくと中から草花などの模様がでてくるもっと色鮮やかなもの。青森県と北海道を結んだ北前船が北海道へべこ餅を伝えたという説もあり、より日常的なお菓子として根付き簡略化されたということも考えられますね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<スイーツギャラリー北じま>
公式サイト(外部リンク)
北海道上磯郡木古内町字本330-4
01392-2-2209
9時~18時
定休日 日曜