熱帯低気圧は、今後顕著に発達しつつ北上か
海水温高く、顕著に発達しつつ北上か
きのう22日(水)、グアム島近海で発生した熱帯低気圧の動向が非常に気になります。
気象庁が発表している海水温の状況をみると、もともと9月下旬というのは1年で最も高い時期ではありますが、それに加え、フィリピンの東から日本の南海上にかけては、平年より高く、広範囲で30度以上となっています。
熱帯低気圧は、一般に暖かな海面上で蒸発した水蒸気を補給しながら発達していきますが、26度から27度以上あれば、勢力を維持すると言われています。
今ある熱帯低気圧は、さらに多量の水蒸気がある30度以上の海面上をしばらく進みますので、今後顕著に発達する可能性があるのです。
さらに日本の南海上は北緯30度近くまで30度近い海水温ですから、進路によっては、かなりの勢力を維持したまま、北上してくる可能性も考えられます。
気象庁からはまだ熱帯低気圧が台風になるという情報は出されていませんが、きょう23日(木)にもそのような情報が発表されるかもしれません。
日本のモデルでは?
上図は日本のGSMというモデルによる最新の計算です。
今ある熱帯低気圧は台風の勢力に発達し、来週、日本の南から徐々に転向して北東方向へ進む予想です。これはあくまでも現時点での予想であり、太平洋高気圧などの勢力により今後も大きく変わる可能性もありますが、きのう22日(水)の時点よりは日本の南に大きくよった進路を取る計算となっています。
また日本のアンサンブル予報をみても、数十通りある計算の内、おおむね半数程度が上図に近い計算で比較的まとまってきている印象です。
ECMWFの予想では?
参考までにECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の計算をみても、やはりきのうまでは大きく東にそれる進路を予想していましたが、最新の計算では日本のGSMモデルとよく似た進路を予想しています。
来週前半にかけて、台風の勢力となり日本の南に北上後、徐々に転向しつつ、来週の後半に小笠原から伊豆諸島付近を通過する計算です。
JTWCの予想ではスーパー台風へ発達予想
こちらも参考までに、JTWC(米軍合同台風警報センター)の最新の発表ですが、今ある熱帯低気圧はきょう23日(木)午後にも台風の勢力となり、その後日に日に発達しながら北上する予想です。
そして気になるのは、来週28日(火)午前3時に北緯23度付近で、1分間平均の最大風速130ノット(約65メートル)、最大瞬間風速160ノット(約80メートル)のスーパー台風の勢力に発達する予想をしているところです。
スーパー台風はJTWCが分類する台風の中でも最も強い表現であり、日本の台風の表現としては猛烈な台風の強い方に相当します。
上述した通り、今ある熱帯低気圧は今後顕著に発達しながら北上する計算が増えてきていますので、きょうにも気象庁から発表されるであろう台風に関する情報に十分ご注意下さい。