グアム島近海に新たな熱帯低気圧が発生 今後発達しながら北上する可能性
グアム島近海に発生
グアム島の東にあったまとまった雲域付近で、きょう22日(水)午前3時に低圧部が発生し、その直後の午前9時に熱帯低気圧が発生しました(天気図内のTDマーク)。
きのう21日(火)の見立てでは、まだしばらく低圧部のままでしたから、予想以上に中心付近の循環が明瞭になり、早めに発達してきている状態です。
気象庁の予想天気図によると、熱帯低気圧は今後西寄りに進み、あさって24日(金)午前9時にはグアム島の西の海上に達する見込みです。
中心気圧に注目すると、あさってにかけて1008hPa程度で、あまり発達しない予想ですが、30度以上あるとても暖かな海面上を進むため、多量の水蒸気を補給しつつ、一気に勢力を強める可能性も十分にある状況だと思われます。
高気圧が割れたところを北上か?
熱帯低気圧がグアム島の西海上まで進むのはその北側に太平洋高気圧が広範囲に張り出しているためで、もしこのままの状態が続けば、西進を続け、フィリピン方面を目指すことになるでしょう。
ところが週末にかけて大きな変化が起こり、日本の南東海上で、上図のように大きく太平洋高気圧が割れる(弱まる)予想です。
このあたりは気圧が低くなり、熱帯低気圧(あるいは台風)の通り道が出来るため、今ある熱帯低気圧もこのあたりを目指して北上してくる可能性が高いと思われます。
とは言え、もし今ある熱帯低気圧が今後台風として勢力を強めながら北上するような場合、台風自体がその前面にある太平洋高気圧を強めるような働きをすることもあるため、なかなか一筋縄ではいきません。
アンサンブル予報では?
参考までに、上図は数十通りを計算している日本のアンサンブル予報の内の代表的なものを、おおまかに3つ選んだもので、それらの来週28日(火)午前9時の予想天気図となります。
Aのパターンは、日本の南東海上の太平洋高気圧の弱まり方が小さいため、北西進を続け、日本の南まで到達する計算。熱帯低気圧は顕著に発達し、強い台風と思われる勢力まで発達しています。
Bのパターンは台風の勢力に発達はしていますが、東経140度線を北上し、その後小笠原方面へ転向していくだろうと思われる計算。
そしてCのパターンが太平洋高気圧の割れたところを比較的スムーズに北上し、日本の東へ遠ざかっていく計算。実は諸外国を含めると、この計算が最も多くなってはいるのですが、日本のアンサンブル予報が日本の南海上にやってくる計算を比較的多めに出していますので、今後も動向を注視せねばなりません。