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小室圭さん3度目の司法試験合格で週刊誌のバッシングはどうなる!?

篠田博之月刊『創』編集長
(写真:つのだよしお/アフロ)

司法試験合格が予想以上の大きな報道に

 小室圭さんが10月21日、ニューヨーク州司法試験に合格したことは、芸能マスコミだけでなく、新聞・テレビの一般ニュースでも予想外に大きく報道された。TBS「NEWS23」などトップニュースだった。三度目の今回も落ちていたら小室さんへのバッシングがますます強まったのは明らかだから、関係者は胸をなでおろしているに違いない。

 一貫して小室バッシングを続けてきた週刊誌は、今回もどうせ落ちるのではと考えたらしい。合格発表のあった週に発売された号では、軒並み不合格を前提とした内容を掲載していた。一番すごいのは『週刊新潮』で、10月27日号の見出しは「小室圭さん不合格濃厚で『秋篠宮』を襲う『お誕生日の辟易』」。予測記事だとしても「不合格濃厚」と明示するのは危険なのだが、堂々とそれをやっていた。誕生日会見を控えた秋篠宮さまが小室さん不合格にどう答えるか頭を悩ませているという内容の記事だ。

 『週刊文春』10月27日号は「小室圭さん不合格でも安泰の“証拠写真”そして佳子さまが動いた」。小室さんが務める法律事務所のホームページに、10月10日、小室さんの新たな顔写真が掲載された。関係者によれば、これは「合否にかかわらず、圭さんを雇用し続けるという事務所の強い意向の表れ」だという。

『女性自身』11月1日号も小室さんの笑顔の写真とともにこういう見出しを掲げた。「小室圭さん『3度目の試験落ちてもクビにならない』高笑いのドヤ顔写真」。いずれも小室さんの不合格を想定した記事だ。

 どれも小室さんバッシングを続けてきた週刊誌らしい切り口だ。

『週刊女性は』は小室さんを表紙に

 合格発表を受けて、何やら小室さんについての論評が一変した感もある。週刊誌の扱いは当然ながら大きく、『週刊女性』など表紙が小室さんの写真だ。

その『週刊女性』11月8日号のタイトルは「小室圭さん弁護士デビューで有頂天 勘違いがもたらす眞子さんとの亀裂」。今回のことで有頂天になると眞子さんとの間に亀裂が生じることもある、とアドバイスしているのだが、当事者夫婦にとっては「余計なお世話」という気もしないではない。

表紙に小室さんの写真を掲げた「週刊女性」11月8日号(筆者撮影)
表紙に小室さんの写真を掲げた「週刊女性」11月8日号(筆者撮影)

 前号で「不合格濃厚」とぶち上げてしまった『週刊新潮』11月3日号は「『小室圭さん・佳代さん』も次なる野望『眞子さん』第一子のカギを握る『女医』」。さらに先読みをして「妊活」の話だ。悠仁さま出産時の医療チームメンバーで、現在は皇室とゆかりの深い「愛育病院」の名誉院長を務める安達知子医師が、5月以来複数回にわたって渡米し眞子さんとコンタクトをとっている。これは宮内庁から打診を受けた安達医師の「極秘ミッション」だというのだ。

 確かに結婚から1年たって「妊活」の話が出ても不思議ではないのだが、同誌は自信たっぷりに報じ、安達医師の顔写真まで載せている。果たしてどこまでウラがとれた情報なのか。同誌からの直撃を受けた本人は「いえいえ、まったく何も、全然関係ありませんから」と否定した。本当に関係ない場合は迷惑な話だろうが、さてどうなのか。

「婚活」の極秘ミッション!? 『週刊新潮』11月3日号(筆者撮影)
「婚活」の極秘ミッション!? 『週刊新潮』11月3日号(筆者撮影)

 『女性セブン』11月10・17日号は「小室圭さん『皇室丸抱え』セレブ合格 渡米1530日全内幕」だ。「『皇室丸抱え』セレブ合格」というのは、何やら小室さんの合格は妻が元皇族であることが考慮されたといっているようにも見えるが、記事を読んでもそういうことは書いておらず、いったいこのタイトルは何なのだろうと思ってしまう。確かに今勤務している事務所の厚遇を含め、小室さんの立場に周囲が期待している可能性は大だが、司法試験の合否にまでそれが影響するとは思えないのだが。

「特別待遇」を非難するメディアも

 『週刊文春』11月3日号の見出しは「小室圭さん母子の逆襲『特別待遇』450日」。「特別待遇」というのは、小室さんの母親の幾つかの事例をあげて「自身が元皇族の縁者として“特別待遇”を受けるのは当然と考えている節がある」ということのようだ。「圭さんが合格したことで状況は変わった。今後は渡米して会いに行く可能性も十分出てきました」といったふうに今後、母子の“逆襲”が始まることを懸念している。

 確かに今回の合格で、これまでバッシングに奔走してきた週刊誌との「形勢」に多少変化が出た可能性はあるのだが、果たして本当に“逆襲”といったことまでいくのかどうか。

 それよりも「皇室丸抱え」とか「特別待遇」といった非難、つまり「自身が元皇族の縁者」であることをこの母子は最大限に活用しようとしているという非難のロジックは、これまでの小室母子バッシングの基本構図だ。週刊誌の論調を見ると、そのロジックでの母子叩きはまだ続きそうだ。

 皇室報道の次のターゲットは11月30日の秋篠宮誕生日で、事前の会見の収録が近いうちにありそうだ。思えば昨年の会見では、皇室報道のあり方も含め、秋篠宮さまがいろいろな言及を行った。特に注目されたのは、週刊誌などの皇室報道に触れ、対応をめぐって基準づくりが必要といった指摘を行ったことだ。その後、宮内庁が情報発信のあり方をめぐって新たな予算措置を行うなどいろいろな動きがあることは間違いなさそうだ。

 それにからめていうと、先頃、今後の情報発信のあり方について宮内庁に質問状を出した。回答を紹介しよう。やや杓子定規な回答内容なのだが、こんなふうに記者クラブ以外のメヂィアに宮内庁が対応するようになったことだけでも進歩といえよう。確かだいぶ以前、宮内庁に取材申し入れをした時には、宮内記者会加盟社以外の取材は受けられない、とはっきり言われた。それに比べると大きな進歩だ。

宮内庁の情報発信めぐる改革

――宮内庁が検討していると言われる情報発信についての改革は、昨年の秋篠宮さま会見での提案が一つのきっかけなのか。

〈そうではありません。それ以前から検討課題として考えてきたものです。〉

――SNS活用という方針は既に決まっていることなのか。

〈検討する媒体の中には「SNS」も含まれる旨、報道機関に対して、8月30日に宮内庁の令和5年度概算要求の説明をした際に言及しましたが、あくまでも検討する媒体の一つであり、「SNS」を広報活動に活用すると決定した事実はありません。〉

――これまでの宮内庁ホームぺージ「皇室関連報道について」はどうなるのか。

〈宮内庁ホームページの「皇室関連報道について」のページについては、当該ページに記載の考え方に沿って、今後も必要に応じ、情報発信を行ってまいります。

 なお、今後、ホームページについて、必要な見直しを行っていくことを考えており、その内容については、今後検討してまいります。〉

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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