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TikTokの利用禁止巡りトランプ米政権上訴、米ワーナーは初の新作映画劇場・ネット同時公開

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]TikTokの全面的な利用禁止措置巡りトランプ米政権が上訴

 中国発の動画投稿アプリ「TikTok」を巡り、トランプ米政権は米国での全面利用禁止措置の一時差し止めを命じた連邦地裁の判断を不服とし、首都ワシントンの連邦控訴裁判所に上訴した。

 ロイターが12月28日に報じた。米商務省は、インターネット・ホスティング・サービスやコンテンツ配信サービスを提供する米企業に対し、TikTokとの取引を禁じる措置を発動するとしていた。

 一方、親会社の中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)は「米国内で事実上の全面利用停止になる」と反発していた。

 これに先立つ12月7日、首都ワシントンの連邦地裁は、商務省に対し禁止措置発動の一時差し止めを命じていた。同様の差し止め命令はペンシルベニア州の連邦地裁も10月末に出しており、米政府は上訴している。こちらは2021年2月に控訴審が開かれる予定だという。

[2]米EV大手のテスラ、2021年にインド市場に進出

 電気自動車(EV)大手の米テスラが2021年にインド市場に進出すると、ロイターなどが12月28日に報じた。当初は主力車「モデル3」を販売し、顧客の反応を見ながら工場の建設を検討するという。

 インド政府は石油への依存低減と公害対策に力を入れるものの、工場施設やインフラ整備などの投資が不足しており、EVの普及が進んでいないとする。

 テスラは現在、米テキサス州オースティンとドイツのベルリンでEV工場を建設中。2020年は中国・上海で同社初の海外工場の操業を開始した。

[3]米ワーナー、新作映画の劇場・ネット同時公開 第1弾「ワンダーウーマン1984」

画像出典:米ワーナーメディア発表資料
画像出典:米ワーナーメディア発表資料

 米AT&T傘下の米ワーナーメディアが新作映画の劇場とネットの同時公開を始めたと、米CNBCが12月28日に報じた。第1弾は「ワンダーウーマン1984」。12月25日に開始した。

 米国とカナダにおける週末の映画館興行収入は、コロナ禍で最高額の1670万ドル(約17億3000万円)。ワーナーはネット配信実績の詳細を明らかにしていないが、初日は加入者の約半数が視聴したと述べている。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの映画館が閉鎖を余儀なくされるなか、劇場とネットの同時公開を決めた。1年限定で傘下の動画サービス「HBOマックス」で配信する。2021年は「DUNE/デューン 砂の惑星」や「マトリックス4」など20本近くを公開するとしている

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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