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全米6位のマイアミ大に惜敗 渡邊雄太とジョージ・ワシントン大が壁を乗り越えるためにやるべきこと

杉浦大介スポーツライター
(写真:アフロスポーツ)

2017年12月16日 ワシントンDC チャールズ E. スミス・センター

マイアミ大(9勝0敗) 59-50 ジョージ・ワシントン大(5勝6敗)

渡邊雄太 37分出場し、9得点(FG3/12、FT3/6、3PT0/2)、8リバウンド、2アシスト、2ブロック、0スティール、0ターンオーバー、0ファウル

 全米ランキング6位のマイアミ大を地元に迎え撃ったビッグゲーム。ジョージ・ワシントン大は序盤からシュートが決まらず、前半に最大21点のリードを許してしまう。後半はディフェンスのプレッシャーからペースを掴み、終盤に一時は7点差まで猛追。しかし、やはり前半のビハインドは大きく、この日まで全勝のマイアミ大に逃げ切りを許した。後半だけなら強豪相手に35-27とリードしていただけに、惜しいゲーム。渡邊雄太は相手の激しいマークに遭い、オフェンス面では最後まで波に乗れなかったが、リバウンド、ディフェンスで貢献した。

鍵はゲーム開始直後から力を出すこと

ーー今季全勝のマイアミ大を相手に後半は互角以上に戦いましたが、結局は届きませんでした。

YW : 今日の後半はエナジーがあったし、前半で(上手くいかなかったところを)修正できた部分に関しては良かったと思います。ただ、前戦、今戦と出だしが悪くなっています。この2試合はどちらも後半だけならリードしているんですよね。

ーーそれだけに、余計にもったいない印象がありました。

YW : 良いチームを相手に前半であれだけ差をつけられると、逆転まで持っていくのは難しい。10点以内くらいだったら可能性は出てきますが、17点は厳しいです。10点差前後に詰め寄っても、強豪チームは決めるべきところは決めて来る。出だしを修正していかないと、今後も厳しい展開が続くんじゃないかなと思っています。

ーー前戦では7勝3敗だったペンステイト大に前半で一時29点差をつけられ、追い上げても届きませんでした。序盤に出遅れる要因はどこにあると思いますか?

YW : 僕はエナジーが一番の問題だと思っています。試合前は当然みんな勝つ気でいますが、ランク的には相手が全然上ですし、もっと挑戦者の気持ちを持って最初からやっていかなければいけない。相手に遅れをとってしまい、出だしから100%のプレーができていません。ウォーミングアップからちゃんとやらないと、修正するのは難しいと思います。

ーー先ほども話があったように、前戦でもペンステイト大を相手に後半だけなら35-26とリードしていました。2戦連続で強豪を相手に、後半は互角以上に戦えていることはポジティブに受け取れますか? 

YW : 相手は素晴らしいチームですけど、前半で10点以上も差をつけられるほど格上なのかと言われたらそんなことはないです。ペンステイト相手にしても、30点も離されるほどの差はなかった。強豪相手でも、自分たちがやるべきことをしっかりとやれば必ず良い結果が出てくると思います。良い部分もあるので、そこは伸ばしつつ、できていない部分は修正して、次の試合に臨みたいですね。

ーー個人的な話をすると、全体に悪くはなかったですが、オフェンスではシュートが落ちなかったですね。

YW : 今日は相手の11番(ブルース・ブラウン Jr.)につかれていたんですけど、彼はすごいディフェンダーでした。ずっとべったりつかれていたんで、自分がシュートを打ったというより、打たされていた。そういうシュートはなかなか入らないですし、今日は彼のディフェンスに完敗という感じですね。

勝率5割を切るも、今後も1歩ずつ前に

ーー一チーム、個人ともに12月6日まで3連勝した際には良いムードになりかけましたが、ここに来て強いチームの壁に当たっている感があります。この壁を乗り越えるためには何が必要でしょうか?

YW : とにかく良い立ち上がり、良い入り方ができるかどうかが一番大事だと思っています。ゼイビア大、カンザスシティ大、ペンステイト大、テンプル、そして今日のマイアミ大と、強豪と対戦してきて、自分たちがそういう相手にも通用するというのは証明できています。あとはどうやって出だしを良くできるかですね。

ーー新加入選手が多い今季は、長い目で見なければいけないシーズンと盛んに言われています。徐々にでも向上できるという手応えは、依然として感じていますか?

YW : 手応えはずっとあります。ただ、やっぱり勝負どころで若さが出たり、経験のなさが出ている部分もある。自分が上級生としてチームを引っ張っていかなければいけません。自分の責任だと思っています。

ーー前戦のペンステイト大戦を除き、全戦で36分以上出場と長時間のプレーが続いています。スタミナは問題ないですか? 

YW : 今戦の前までは1週間空いたので大丈夫でした。しかし、2日空いてゲームという日程が続くと、体力的にも厳しくなってくることはありました。体調管理ももっとしっかりやらなければいけないですね。

ーー12月20日のニューハンプシャー大(12月19日時点で3勝8敗)戦、23日のハーバード大(同4勝6敗)戦と、ノンカンファレンスゲームがあと2試合あり、その後にセント・ジョセフス大(同5勝5敗)戦を皮切りにA10カンファレンス・ゲームが始まります。この3試合は全勝で行きたいところでしょうか。

YW : 今日負けたことによってまた勝率が5割以下に戻ってしまいました。今後も1戦1戦を大事にしていきたいです。次の相手も戦績自体は良くないんですが、それでもすごく良いチーム。今日の反省点をしっかり生かして、まずは次の試合を勝てるように、ですね。

ーーところでカレッジは試験のシーズンですが、問題なかったですか?

YW : いや、まだ残っているんです。ペーパーが2つとテストが2つ残っていまして・・・・・・。 

ーー大丈夫ですよね?

YW : まあ、もう、落ちることはない、赤点はないと思っています(笑)

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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