前田健太がゲットする金額は、過去2年を上回るものの、1年目には及ばない
9月2日、前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)は、メジャーリーグ4年目で2度目となる、シーズン140イニングに到達した。もっとも、この試合は先発ではなく、6回表から4イニングを投げ、3失点ながらセーブを挙げた。
今後も、前田はブルペンの一員として投げるだろう。ローテーションには、クレイトン・カーショウ、ヒョンジン・リュ(柳賢振)、ウォーカー・ビューラーの三本柱が揃い、9月3日に復帰したフリオ・ウリーアス――DVによる20試合の出場停止を終えた――に続いて、故障者リストにいるリッチ・ヒルも9月12日に戻ってくる予定だ。ルーキーのトニー・ガンソリンも、9月中旬以降の起用法ははっきりしないものの、8月は4先発で防御率1.80を記録した。
一方、ドジャースはブルペンに不安を抱えている。前田が最後に先発した、8月28日の試合がいい例だ。この日、前田は6回裏が始まる前にマウンドを降りた。その時点で、ドジャースは3対2とリードしていて、8回表に1点を追加した。だが、そこからペドロ・バイエズとケンリー・ジャンセンが1点ずつ返されて同点に。試合には勝ったが、前田に白星はつかなかった。
バイエズとジャンセンは、セットアッパーとクローザーだ。それぞれ、チーム最多の22ホールドと28セーブを記録している。ただ、防御率はともに3点台。バイエズのセーブ失敗は5度、ジャンセンは7度を数える。
前田がゲットする金額は、すでに前年の615万ドルと2017年の790万ドルを上回っている。8月28日がシーズン26先発目なので、先発登板の出来高は2017年(25先発)と同じだが、イニングの出来高が違う。2年前は134.1イニングだった。そこに、今シーズンは140イニング到達の25万ドルが加わり、現時点では815万ドルとなっている。
とはいえ、満額の1315万ドルはもちろん、1年目の1190万ドルに届くこともないだろう。150イニング到達の25万ドルをゲットしても、840万ドルにとどまる。160イニングなら、さらに25万ドルのプラスだが、現時点で142イニングの前田が、あと18イニングを投げることはなさそうだ。今シーズン、ドジャースでリリーフとして1ヵ月に18イニング以上を投げた投手は、一人もいない。月間最多は、バイエズ(3・4月)とウリーアス(6月)が記録した16イニングだ(6月のウリーアスは、他に先発3イニング)。ポストシーズンを前にして、デーブ・ロバーツ監督が、前田にそれ以上のイニングを投げさせるとは思えない。
前田は2016年のポストシーズンで3試合に先発し、いずれも5イニング未満で降板した。防御率は6.75だ。過去2年はリリーフとして投げ、2017年は9登板で防御率0.84、2018年は8登板で防御率4.05を記録している。
なお、ポストシーズンに進出した10チームは、その結果に応じて分配金を受け取る。過去3年のドジャースにおける1人当たりの金額は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ敗退の2016年が12万3741ドル24セント(満額をもらえる「フルシェア」の場合)で、ワールドシリーズ敗退の2017年と2018年は、25万9722ドル14セントと26万2027ドル49セントだ。ちなみに、昨年のワールドシリーズでドジャースを破ったボストン・レッドソックスは、41万6837ドル72セントだった。
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