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大谷に続いてソトも逃した球団が、昨年44本塁打のFAに契約を申し出る!? 今度こそスラッガーを…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・サンタンデア Mar 30, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アーロン・ジャッジ大谷翔平アンソニー・サンタンデアホアン・ソトの4人は、2024年に40本以上のホームランを打った。それぞれ、58本塁打、54本塁打、44本塁打、41本塁打を記録した。彼ら以外の選手は、40本塁打に到達しなかった。

 ジャッジは、2022年のオフにFAとなり、9年3億6000万ドル(2023~31年)の契約でニューヨーク・ヤンキースに戻った。大谷は、2023年のオフにロサンゼルス・エンジェルスを去り、ロサンゼルス・ドジャースと10年7億ドル(2024~33年)の契約を交わした。あとの2人は、今オフのFA市場に出た。ヤンキースからニューヨーク・メッツへ移ったソトは、15年7億6500万ドル(2025~39年)の契約を手にした。

 ESPNのジェフ・パッサンらによると、トロント・ブルージェイズは、FAとなった大谷とソトのどちらにも、7億ドル以上の契約を申し出たという。そこまでの大型契約ではないはずだが、今度はサンタンデアを手に入れようとしているらしい。ヒューストンのテレビ局、KPRC2のアリ・アレクザンダーは、ブルージェイズがサンタンデアに契約を申し出た、と報じている。

 2022年以降にブルージェイズでシーズン30本塁打以上を記録した選手は、2022年に32本塁打と2024年に30本塁打のブラディミール・ゲレーロJr.しかいない。2023年にゲレーロJr.が記録した26本塁打も、ブルージェイズでは最も多かった。なかでも、直近の2024年は、ゲレーロJr.を除くと、どの選手も20本塁打に届かなかった。先月のトレードでクリーブランド・ガーディアンズから獲得したアンドレス・ヒメネスは、二塁の守備こそ優秀ながら、ホームランは、2022年の17本が最多。2024年は、一桁にとどまった。

 サンタンデアを迎え入れることができれば、打線のパワーアップだけでなく、他の面でもプラスに働くかもしれない。

 ブルージェイズは、2025年のオフにFAとなるゲレーロJr.を引き留めようとしているが、延長契約の交渉は捗っていないようだ。先月下旬、アビエンド・スポーツのポッドキャストに出演したゲレーロJr.は、「彼らの申し出は、僕が求めているものとはかけ離れている」「スプリング・トレーニングが始まったら、交渉を行うつもりはない」と語った。

 ブルージェイズは、2022~23年にワイルドカードをゲットした後、2024年は地区最下位に沈んだ。ヒメネスに続いてサンタンデアを加え、勝とうとする姿勢を示せば、ゲレーロJr.がディスカウントに応じる可能性も――大幅なものではなくても――皆無ではない。あるいは、ゲレーロJr.と延長契約を交わせなくても、ラインナップの中心にゲレーロJr.とサンタンデアを据え、2025年のポストシーズン進出をめざすことはできる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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