なぜドヘニーは腰を痛めた?井上尚弥戦の突然の終わりの理由は #専門家のまとめ
ボクシングスーパーバンタム級4団体統一戦が行われ、王者の井上尚弥(31=大橋)が元世界王者のTJ・ドヘニー(37=アイルランド)と対戦した。今回の試合では、両者の計量後の体重のリカバリーが注目された。試合当日に井上が62.7キロで、計量から+7.4キロ。一方、ドヘニーは66.1キロで、11キロ増加となった。試合では7Rにドヘニーが腰を痛めたようでレフリーストップ。今回の試合で体重を大幅に増量してきたドヘニー。体重増加が腰に負担をかけた可能性がある。試合はあっけなく終了した。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
試合が始まると井上はジャブとフットワークを駆使して慎重に試合を進めた。前回のネリ戦での序盤でのダウンの反省を活かし、リスクを取らない戦法で戦った。序盤は耐久力があるドヘニーをなかなか追い詰めることができなかったが、徐々に井上がペースを掴んでいく。そして、7Rの序盤に井上がラッシュをかけるとドヘニーが後退。途中でドヘニーが腰を痛めたようでレフリーストップ。最後はあっけない幕切れとなった。
試合前の両者の身体を比べると、11キロ増加したドヘニーが井上よりふた回りほど大きく感じた。階級でいうと5階級上のウェルター級の体重で戦っていた。体重を大幅に増量したことが原因で腰に負担がかかったのかもしれない。体重は増やせばいいわけではない。増やせばスピードが落ち、スタミナも減る。また急激に体重を増やしても、筋肉量が増えるわけではない。重くなった体を動かすために大きな負担も掛かる。そのためデメリットも大きい。
井上にとっても、タフなドヘニーとの戦いは、今後フェザー級で戦うことを考えても良い経験になったのではないか。今日の内容を見ても、階級アップは問題ないだろう。日本人初の5階級制覇への期待も高まる。