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アギーレとザッケローニ。評価を分けるポイントは3−4−3にある

杉山茂樹スポーツライター

前回のブログ「いまこの瞬間、アギーレ以上の監督を見つけ出すことは簡単な作業ではない」で、僕はザッケローニを6とすれば、アギーレは7と書いた。

アギーレはアジアカップ4試合すべてにおいて、同じ選手をスタメンに並べた。ベテランも多く復帰させた。新チームらしさゼロ。テストを忘れ、ガチガチのメンバーで戦い、そしてベスト8で散った。

片やザッケローニは、アジアカップで優勝した。これだけを比べれば、ザッケローニの方が、断然優れているように見える。だが、僕はその準決勝(対韓国)における勝ち方があまり好きではなかった。

ザッケローニは延長に入り1点リードするや、5バックの態勢でゴール前を固めた。守りきろうとしたわけだが、最後に同点ゴールを奪われた。弱気。ザッケローニの本性を見たような気になった。だが、PK戦は別物。韓国が、のっけから3人立て続けに外したため、日本は決勝進出を決めた。考え得る限りにおいて最悪の勝利。僕にはそう見えた。

ラッキーに恵まれ優勝したザッケローニ。準々決勝(対UAE)でPK負けしたアギーレには運がなかった。両者の間には2勝分の差があるが、実質は1勝分の差になる。

一方、采配には、同じくらいミスがあった。4試合を同じ先発で戦ったアギーレ采配も問題だが、極端に守りを固め失敗したザッケローニ采配も問題だ。

ザッケローニ6.5対アギーレ5.5。アジアカップの戦績を基に両者を採点すれば、そのようになる。それが6対7に逆転する理由はなにか。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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