新監督に引き継がれるべきアギーレのアイディア
かつて布陣の括りは、3バックか4バックかの二者択一だった。日本では、3バックと言えば3−4−1−2、4バックと言えば4−2−2−2と選択肢が決まっていた10年ほど前までの話になる。
以降、次第に使われなくなったのが4バックという言い回し。世界的にメジャーな布陣になっていた4−2−3−1が、日本に普及したこととそれは大きな関係がある。ついでに言えば、布陣にまつわる話は、それとともに日本国内に浸透していくことになった。サッカーの進歩を促すことになった。そう言っていい。
一方、3バックという言い回しはいまだ健在。4バック同様、3バックの種類も様々だと言うのに、である。
アギーレが採用した布陣は、最終ラインからビルドアップする時、アンカーの長谷部が下がることで3−4−3(中盤フラット型)に変化する4−3−3だった。しかし、その3バックの具体的な中身について、丁寧に説明してくれるテレビ解説者は少なかった。ザッケローニがトライしたものの、結局、未完成のまま終わったものと同じ3−4−3。それが、一夜のうちに完成したにもかかわらず、評価する声はなし。話題にさえならなかった。
3バックの考察が甘い。4バックより断然。僕はそんな気が強くする。Jリーグで広島や浦和が採用する3バックも、大抵「3バック」と言われる。アギーレやザッケローニの3バックとは明らかに違うのに、同じ表現で括ろうとする。オシムもかつて3バックを採用した。3−3−2−2と中盤ダイヤモンド型3−4−3の2種類だが、その時も言い方は「3バック」だった。
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