ベスト4進出!ブラジル相手にパスサッカーの真髄を見せたヤングなでしこ(2)
パプアニューギニアで行われているFIFA U-20女子ワールドカップ準々決勝で、ヤングなでしこがU-20ブラジル代表に3−1と快勝。
U-20日本女子代表は、アウェイの大会で過去最高となるベスト4に進出した。
準決勝は29日19:30(日本時間18:30)キックオフ。
ベスト4進出!ブラジル相手にパスサッカーの真髄を見せたヤングなでしこ(1)
【監督・選手コメント(U-20ブラジル代表戦翌日)】
高倉麻子監督(試合翌日)
ーーブラジル戦の序盤は試合をどのようにご覧になっていたのでしょうか。
慎重な入りになりそうな感じはあったんですけれども、みんな落ち着いてやっていました。相手の一発は怖かったですけれど、日本らしく、落ち着いてボールを回しながらゴールに近づいていたので、悪くないと思って見ていました。シュートまでの形を多く出したいなと思いながらも、焦(じ)れずにやらなければいけないなと考えていました。
ーーブラジルは引き気味のスタートでしたが、予想通りだったのでしょうか?
もうちょっと前から来ると予想していましたけれど、スペイン戦から修正して、キーパーも含めてディフェンスラインからビルドアップする中で、その勢いをこちらで削いだ部分もあります。選手同士のサポートの距離や速さは良くなっていますが、まだまだ対策はされるでしょうから、より質を上げていきたいです。
ーー先発に起用した守屋選手の活躍についてはいかがですか?
いろんな選手を使いながら戦うことは考えていました。長く見ているとマイナスの面が目についてしまうのですが、なるべくプラスの面を生かしてあげたいと考えています。昨日は守屋選手の突破で押し返したいという意図がありました。よく頑張ってくれたと思います。
ーー控えの選手も高いモチベーションで戦っていますが、どのようなことを大切にしていらっしゃいますか?
21人でゲームをやらなくちゃならないですし、サブの選手がある意味キーだと思っています。数名、ちょっと元気がない選手もいますけれど、みんなで強くなっていかなければいけないと思うので、声かけをしながら、なんとか気持ちを上げて、全員で確認し合いながら、また違う変化を出していきたいです。
ーー高倉監督は「組織に逃げてはいけない」ということをおっしゃいましたが、FWの選手にはどのようなことを期待していますか?
個の突破ということでは、たとえば目に見える形で自分でシュートまで持っていくというのが一番分かりやすいと思いますが、オフの動き出しで一発で裏を取ったり、タイミングをずらしてパスを出せることも個の力だと思います。ボールが動かないとどうしても球際でぶつかり合うサッカーになってしまうので、そういう力も大切ですね。
ーー勝負どころの見極めなど、ゲーム運びの面で、チームの成長をどのように感じていらっしゃいますか?
4試合を戦って、1試合ごとにリアルに90分間ゲームが流れていくので、「こういう流れの時には耐える」とか、「こういう流れの時はいく」という判断を自分たちがしなければいけない、という話をしています。その中で、相手にやられた場合に、メンタル的に立て直せる選手になってくれることも望んでいます。本人たちがグラウンドの中で話をして、いろんなものを掴もうとしているんじゃないでしょうか。昨日の試合は落ち着いてやっていましたね。
MF 松原志歩(試合翌日)
ーーブラジル戦の、後半の1点目のゴールを振り返っていただけますか?
右サイドの(守屋)都弥さんからいいクロスが上がってきて、結構相手がボールウォッチャーになる感じがしていたので、背後を取ることを意識して中に入りました。最後は体を投げ出してでも触ろうと思っていたので、変な転び方になったんですけれど、ゴールを決められて良かったです。相手からは見えてないところから決められたと思います。
ーー2ゴール目はいかがですか?
ボールを受けて、最初のタイミングで打とうと思っていたんですけれど、相手がブロックしに来ているのが見えたので、落ち着いて一人かわしてシュートを打ちました。
ーーそのあとも大きなチャンスがありましたけど、あの場面はいかがでしたか?
ハットトリックを狙っていたんですけれど…。「決められる!」と思ったら、ああいう風になってしまうことが多いですね。キーパーの股の間が空いていたので狙ったんですけれど、浮いてしまいました。
ーー準々決勝の大切な試合で、2得点を決めたことについてはどう感じていますか?
結果を残せたことが自分の自信にもなったし、チームに貢献できたこともすごく嬉しかったです。あと2試合絶対に勝てるように、出番があればまた点を取ってチームに貢献したいです。
ーー試合に出なかったメンバーの意識も高まっていると思いますが、松原選手の活躍も刺激になっているのではないでしょうか?
サブの選手たちは悔しい思いをしている分、いつ、誰が出てもいいような準備ができているので、昨日は自分が点を取りましたが、そんなプレーがまたサブの選手たちからも出ればいいなと思います。