赤坂青野の隠れたイチオシ「赤坂黒べい」の羊羹を纏った黒糖カステラにハイセンスな街の面影を重ねて
意外と食べ応えのあるサイズ感です意外と食べ応えのあるサイズ感です赤坂、と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
赤坂サカスをはじめとする高層ビル、高級ホテルにレストラン、料亭…なにを挙げるにしても、高級という言葉が相応しいハイセンスな街という印象が強いのではないでしょうか。
実際に、確かに赤坂駅周辺にはチェーン店等カジュアルな飲食店もございますが、その合間や一歩瀟洒なエリアに足を踏み入れると、どこか身を切るような澄んだ空気感漂う街並みとなります。
そんな格式高い街で、120年以上の歴史を紡いできた和菓子屋「赤坂青野」さん。季節の生菓子から毎日のおやつ、ご進物まで揃い、周辺の料亭やオフィスからも信頼の厚いお店です。
スティーブジョブズも愛したお店には、赤坂の町並みをイメージしたカジュアルながらも品の良いお菓子が販売されております。今回は、「赤坂黒べい」をご紹介。
胡桃入りの洋風黒糖カステラを羊羹でコーティングし、グラニュー糖をまんべんなくまぶして乾燥させたお菓子。と述べますと、「甘そう」「喉が渇きそう」という印象を受けますが、全くそんなことはありません。むしろ非常に上品かつまとまりのある味わいなのです。
しゃりしゃりっというグラニュー糖の歯触りはどこかひんやりとしていて、香ばしく軽やかな食感の胡桃と共に、全体のアクセントの役割を担っています。また、羊羹の甘味は控え目に整えられており、グラニュー糖や黒糖の風味と掛け合わさることで丁度良い塩梅に。
カステラはバターがほんのりと鼻腔を擽るややハイカラな味わい。ほんのわずかな胡桃の渋みが効力を発揮し、バターケーキとカステラの中間のようなややリッチな口当たり。
シンプルな外観ではありますが、ひとつひとつのバランスが考慮された和洋折衷の赤坂らしいお菓子は、ちょっと凝ったカップに深煎りの珈琲を注いでいただきたいところ。
こちらの重厚感漂う黒光りするパッケージは、かつて赤坂の料亭街に多く見受けられた高級料亭の黒塀をイメージしたものとのこと。ドラマや映画などで、各界の重鎮や政治家たちが秘密裏に意見を交わすシーンを想像してみるとわかりやすいかもしれません。
手に取りやすいお菓子ながらも、その物語性を知ることで、より思い入れのあるお気に入りになったりするかもしれませんね。
私もそのひとりなんですけれどね。