Yahoo!ニュース

日本を救った史上最大ウクライナ航空機が破壊された可能性

タワーマン元航空管制官
2010年2月9日成田空港に到着したAn-225

旧ソ連時代にウクライナで開発されたアントノフAn-225「ムリーヤ」。左右3基ずつ計6基のエンジンと、まるでムカデのような16対のギア(着陸脚)を持つ世界最大とも史上最大とも評される迫力満点の航空機だ。実稼働1機、未完成1機のみの希少な貨物飛行機が、2月27日にウクライナのホストーメリ空港(以下、ホストメル空港)でロシア軍により破壊された可能性が非常に高い状況となっている。

ホストメル空港の正式名称はアントノフ国際空港で、3500mの滑走路を有するウクライナの主要な国際貨物空港である。当初、ロシア軍により制圧されたとの情報があったが、2月25日現地時間未明には、ウクライナ軍が奪還しその時点ではAn-225も無事であった。尚、アントノフ社公式Twitter (@AntonovCompany)は、2月27日午前時点、An-225が失われたとアントノフ社が伝えているような投稿に対して、No!と回答している。

ところが同日19:10、ホストメル空港の格納庫内にあるAn-225が破壊され炎上する様子を写した衛生画像が投稿された。海外のメジャーな航空系、軍事系の複数アカウントが画像解析を行っておりAn-225であると推察している。アントノフ社公式Twitterはこれらの情報に対し「公式情報をお待ちください」と回答するに留まっている。

アントノフAn-225「ムリーヤ」は、最大で250トンもの貨物積載能力があり、戦車、鉄道、航空機・スペースシャトル部品などを運搬し世界を飛び回っている。近年では2010年1月に発生したハイチ地震復興支援のため、日本に初めて飛来し自衛隊機材を運搬(トップ画像はその際に撮影されたもの)。その翌年には、3.11東日本大震災時の救援物資運搬にも使用された。ここ最近もコロナ対策の医薬品などの物資も運搬するなど、世界を救済する重要な役割を担っていた。

この情報が真実かどうかは未だ不明ではあるが、事実となれば、世界中にとって非常に大きな損失となることは明らかである。

記事公開後、公式からの情報アップデートがありました↓

元航空管制官

元航空管制官で退職後は航空系ブロガー兼ゲーム実況YouTuberとなる。飛行機の知識ゼロから管制塔で奮闘して得た経験を基に、空の世界をわかりやすく発信し続ける。

タワーマンの最近の記事