理学療法士と働く言語聴覚士について
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
10月のテーマずばり「理学療法士を知ろう」です。
(日付が変わっちゃった・・・)
理学療法士ということばは聞いたことあるけど、一体何をしている仕事なの?どんなところで働いているの?など、理学療法士に関する疑問を解決していきます。
言語聴覚士とは
理学療法士と一緒に働く職種に、「言語聴覚士」という資格を持つリハビリ専門職の人がいます。
言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに障害がある方が、自分らしい生活を構築できるように支援する専門職です。
「言語」と名前がついていますが、摂食(食べること)・嚥下(飲み込むこと)の問題にも対応します。
言語聴覚士の仕事
あなたが今日、声に出したことを思い出してみてください。
・「おはよう」「こんにちは」など、あいさつの言葉
・「うれしい」「悲しい」など、気持ちを表現することば
・「痛い」「くすぐったい」など、身体の感覚を表現することば
・きょうの予定やできごと
・昨日見たテレビの感想
・学校や職場でのコミュニケーション
など、たくさん思い付いたのではないでしょうか。
会話をすることでコミュニケーションをとっているわたしたちですが、もしあなたが話していることばが相手に伝わらなくなってしまったら、もしくは相手の話していることばが理解できなくなってしまったら、どうやってコミュニケーションを取ればいいのでしょう?
言語聴覚士は、なんらかの理由で「ことばによるコミュニケーションを取ることが難しい」という症状や障害を持ってしまった方が、気持ちを伝えたり理解したりする方法を考える職種です。家族や友人とのコミュニケーションに困りごとのある方が、思いを伝え合うことができるように、ことばや聴こえに問題を持つ方とご家族を支援しています。
言語聴覚士が得意とする分野
言語聴覚士が主な治療対象としている障害や症状は
・言語障害
・構音障害
・高次脳機能障害
・嚥下障害
・音声障害
・聴覚障害
があります。
今回はこの中でも特に、言語障害・構音障害について紹介したいと思います。
言語障害
言語障害には
うまく話すことができない(運動性失語)
話の内容が理解できない(感覚性失語)
文字を読んでも理解できない(ディスレクシア:識字障害)
などがあります。
ことばの扱い方のどの部分が傷害されているかによって治療アプローチも変わりますが、コミュニケーションの方法を工夫することで、患者さん・利用者さんのお気持ちの表現の幅が広がったり、家族とのコミュニケーションがスムーズになる例が多くあります。
構音障害
構音障害とは、頭の中ではことばを理解できていても、口や舌の動きに障害がありはっきりと発音できなくなる障害です。
吃る(どもる)、舌足らずといった表現が一般的には伝わりやすいかもしれません。
普段は口や舌を無意識に動かして会話をしていますが、口や舌の動きをトレーニングすることで聞き取りやすい発音へと導いてくれます。
まとめ
10月のテーマ「理学療法士を知ろう」に因んで、理学療法士と一緒に働く「言語聴覚士」について解説してきました。
言語聴覚士は、理学療法士や作業療法士と比較すると、聞き馴染みのない専門職かもしれません。
しかし、人が生きる上で大切な、食べること・会話をすることにフォーカスして、いつまでも豊かな生活を送れるようサポートしてくれる大切な専門職。それが言語聴覚士です。
リハビリと一言で表現されますが、それぞれに専門領域があることが伝わっていたらうれしいです。