連覇を狙うENEOSはバイタルネットと!! 第94回都市対抗野球大会の組み合わせが決まる
社会人の真夏の球宴・第94回都市対抗野球大会は、7月14日から12日間にわたって東京ドームで開催される。栄えある黒獅子旗を目指す戦いの組み合わせ抽選会が6月16日に東京都内でファンにも公開され、以下のように対戦カードが決定した。
今大会から、1万人以上の観客動員が見込めるチームの一回戦を、チームが希望する日時とする特定試合シードが復活。これまでは、同じ試合を希望するチームが複数の場合はひとつに絞っていたが、今回はそのチーム同士が対戦することに。この特定試合シードを申し込んだ時点で、パナソニックとJR西日本、西濃運輸とHonda熊本、Hondaとトヨタ自動車、SUBARUとJFE西日本、JR東日本東北と日本生命の対戦が決まった。
昨年、史上最多の優勝回数を12に更新した横浜市・ENEOSは、14日の午後6時開始の開幕戦に登場する。昨年は、都市対抗優勝のあとも日本選手権でベスト4入り。今季は4月の四国大会で優勝と、プロも注目するスラッガー・度会隆輝ら若手が着実に力をつけており、チームとして3度目になる大会連覇も手の届く目標と言える。対戦相手となる新潟市・バイタルネットは、9年ぶり4回目の出場。通算100勝を超える名門から初勝利を挙げられるか。
昨年の日本選手権で6回目の頂点に立った豊田市・トヨタ自動車は、3月の東京スポニチ大会、4月の長野県知事旗大会、5月のベーブルース杯大会のいずれもリーグ戦2位で準決勝に進めず、まだ日本選手権の出場権を手にしていない。だが、その間に養った粘り強さを東海二次予選ではフルに発揮し、投打に磐石の試合運びで3年ぶりに第一代表を勝ち取った。日本代表でも主将を務める北村祥治を三番に据えた打線は全国屈指の得点力を誇り、長身右腕の嘉陽宗一郎が中心となる投手陣も層が厚い。そんな強豪と一回戦で対戦するのは、2020年に3回目の優勝を果たしている寄居町/小川町・Honda。屈指の好カードはライバル企業の対決とあって盛り上がりも必至だが、展開も勝敗もまったく予測できない。
各地区の第一代表にも注目
2017年の東京都・NTT東日本、2018年の大阪市・大阪ガス、2019年の千葉市・JFE東日本と、近年の王者が敗退するなど、例年以上に熾烈を極めた地区予選の第一代表は、投打にバランスがよく、特に準々決勝からの連戦もこなせる投手力を備えている。
中でも、さいたま市・日本通運は、ドラフト指名が解禁になる古田島成龍、川船龍星と大卒2年目の速球派右腕を筆頭に、板川佳矢、松澤海渡のルーキーもしっかりと力をつけた。そこに、相馬和磨、前田敬太と左右の両輪も健在で、ヒットメーカーの添田真海をリードオフに据えた打線が確実に援護すれば、悲願の黒獅子旗に近づく。
また、大阪市・NTT西日本は最近5年間で3回目の第一代表と、ここ一番の粘り強さを東京ドームでも発揮できれば、前身の電電近畿から58年ぶりとなる優勝も夢ではない。中国二次予選3試合で46得点1失点と圧倒的な戦いを見せ、すべて7回コールド勝ちした福山市/倉敷市・JFE西日本は、4月の岡山大会も5連勝で優勝。アンダーハンドのエース・津山裕希に加え、筒井恒匡、藤原拓実の右腕二枚が台頭したのが大きい。
そして、大津町・Honda熊本は、8年連続出場に加えて6年連続で九州第一代表と、攻守に安定感を備えている。鉄腕・片山雄貴を軸に、優勝まであと一歩と迫った2021年の快進撃を再現したい。
ほかにも、一回戦から好カードが続く熱き戦いは、スタンドの応援と一体となったムードも大きな魅力。応援団コンクールが再開されるだけに、熱を帯びた東京ドームにぜひ足を運んでいただきたい。
(写真提供=小学館グランドスラム)