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働く女性の「職場でのストレス」ランキング5位は「会社の将来性」。1位は?

赤田太郎の仕事に役立つ心理学常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

 働いている女性のストレスランキングについて、今回の記事ではお話ししたいと思います。あなたはどの程度当てはまりますか?確認してみましょう。

 働いている女性のうち、どの程度ストレスと感じているのかについて、厚生労働省「平成30年度労働安全衛生調査(2019年)」のデータから紐解いていきたいと思います。

 私は、普段大学で研究や心理カウンセラーとして、あなたの毎日に役立つこころの健康についてお伝えしています。インスタはこちらです。(外部リンク)

第5位 会社の将来性 16.6%

 会社の将来が不安…。この会社で大丈夫なのか…。こういう気持ちで、いつも働いているあなた。10人に1人以上、同じ考えを持って働いている人がいます。会社がつぶれてしまうと、仕事を探さなければならなかったり、次の仕事を見つけられるか、採用してくれる会社はあるのか、などの不安がでてきます。そういった背景もこのストレスを強くする要因となっていると思います。

(関連リンク)心理学者が教える「不安の正体とそのつきあいかた」

第4位 雇用の安定性 17.5%

 雇用の安定性とは、会社に問題がなくても、このまま雇い続けてくれるのか、といった不安です。女性の雇用環境は、男性と比較して、正規職員の少なさ、パートの多さなど、構造的な問題を抱えています。今働いている職場で働き続けることができるのかという不安が、女性労働者の強いストレスになっています。

第3位 仕事の失敗、責任の発生 30.9%

 仕事をしていくうえで、失敗は避けられません。にもかかわらず、失敗は絶対に許されないことと扱われ、その責任を取らされることもあるでしょう。こうした失敗を個人の責任に押し付けたり、次の教訓に生かされていない職場であれば、失敗が大きなストレスになります。

 近年では、業務上の失敗を、「改善できるかもしれない可能性」としてチームとして生かしていく職場が、理想的な職場とされています。このことを心理的安全性といいます。失敗を個人に責任転嫁せず、チームの課題として失敗を生かすことができる職場環境を作っていくことが求められています。

第2位 対人関係(セクハラ・パワハラを含む)33.2%

 女性のストレスの特徴として挙げられるのが、この「対人関係」です。なんと、3人に1人は感じている結果となっています。

 男性と比較して、2位と3位が逆転しています。性的な嫌がらせや言動などを受けるセクハラ、上司という立場やスキルの高さを利用してマウントしてくるパワハラ、妊娠・出産に関する嫌がらせや無理解などのマタハラ、これにともなうキャリアに関するストレスなどが挙げられます。

 どの職場にもある程度は嫌な上司や部下がいるものですが、割り切れないと感じたり、すれ違いが続くと、大きなストレスになります。女性のストレスについて詳細は、下記の動画で詳細にお話ししていますので、ぜひご覧ください。

第1位 仕事の質・量 59.5%

 第1位は、仕事そのものの「内容」やその「業務量」に対するストレスでした。これは、男女とも第1位となっています。自分に合った仕事をしているのか、時間内に終わるだけの量なのかについては、上司と話し合いながら改善していく必要がありそうです。

(関連リンク)気がつかないと危険!身体をむしばむストレスとは?心理学者が語るストレスの正体が謎すぎる

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 いかがでしたでしょうか?あなたは、どの程度当てはまりましたか?

 女性のストレスについてマタハラやセクハラなど、さらに詳細にこちらでお話していますので、ぜひこちらの動画もご覧ください。

 仕事に関するメンタルヘルスについて、YouTubeで配信していますので、ぜひお越しください。YouTubeチャンネル「赤田太郎の仕事に役立つ心理学」はこちらから(外部リンク)

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 最後までお読みいただきありがとうございました。

常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

常葉大学(浜松)健康プロデュース学部心身マネジメント学科/常葉大学大学院健康科学研究科臨床心理学専攻 准教授。立命館大学/武庫川女子大学・大学院非常勤講師。働く人と家庭のメンタルヘルス・ストレス・トラウマが専門。働くみなさんにこころの健康の大切さを伝えるために、誰でもわかりやすい心理学をYouTube・Instagramで発信しています。

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