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コロンビア戦の終盤。中盤をダイヤモンド型に移行した森保采配に抱く根本的な疑問

杉山茂樹スポーツライター
(写真:岸本勉/PICSPORT)

 洗練されたサッカーとは言い難い粗野な戦いぶりを披露しながら敗れたコロンビア戦。後半16分、ラファエル・サントス・ボレのバイシクルシュートで1-2と逆転されると、森保一監督は後半33分、守田英正に代え浅野拓磨を投入した。同時に布陣を4-2-3-1から中盤ダイヤモンド型の4-4-2に変化させる戦術的交代である。

 森保監督は変更のあらましを書いたメモをピッチに入る浅野を通じ、ゲームキャプテンの遠藤航に渡した。「練習していない布陣なので確認のために……」とは、試合後の森保監督の弁である。

 2トップに浅野と上田綺世。ダイヤモンドの頂点である2トップ下に久保建英、左に伊東純也、右に堂安律、守備的MFに遠藤が座る4-4-2だ。だが実際は4-1-2-1-2と言うよりも4-1-3-2だった。通常のダイヤモンド型と比較すると、伊東と堂安はプレーのタイプ通り開き気味に構え、2トップ下の久保はダイヤモンドの頂点にしては低めの位置でプレーした。指示が徹底されなかったのか定かではないが、変則型であったことは確かだった。

 逆転弾を浴びる少し前ぐらいから、秩序なくドタバタとしていた日本のサッカーが、これを機に好転することはなかった。逆に火に油を注ぐ格好となった。

 布陣を変更した理由について森保監督はこう述べている。

「相手の布陣と椅子の数を併せ、高い位置からボールの出所を抑えようとした」

 4-3-3で日本に向かってきているコロンビアに対し、相手のアンカーには久保を、相手の両センターバック(CB)には上田と浅野をそれぞれ充て、圧力を掛けようとしたのだという。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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