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ノート(92) 検察が公判に提出し、あるいは不提出にした自白調書とは

前田恒彦元特捜部主任検事
(ペイレスイメージズ/アフロ)

~整理編(2)

勾留36日目(続)

乙号証の内訳

 接見を終えて独房に戻ると、刑務官が書類の束を持ってきた。弁護人が差し入れた乙号証のコピーだった。戸籍謄本のほか、僕の自白調書が16通あった。

 これまでの取調べで僕がサインしたのは逮捕時の弁解録取書や勾留質問時の勾留質問調書を含めて合計28通だったので、検察側はそのうち16通を公判に提出し、残り12通を提出しないと決めたわけだ。

 改めて28通の調書を振り返ると、次のようなものだった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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