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日本代表・流大、フランス代表戦で感じた課題は?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真はイングランド代表戦時(写真:REX/アフロ)

 試合直後の肉声だ。

 ラグビー日本代表の流大は11月20日、敵地スタジアム・ド・トゥールーズでのフランス代表戦に後半11分から出場した。

 10―21と11点差を追うなかで登場し、防御の裏側へのキックなどで活路を見出さんとした。一進一退の攻防で一時は17―28と迫ったが、最後は17―35で惜敗。秋のツアーを終えた。

 2019年のワールドカップ日本大会で8強入りするまでの全5試合に先発した流。来秋の同フランス大会への所感は。

 試合後のミックスゾーンで語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——試合を終えて。

「正直、色々とレビューすることはあるんですけど…。前半の早い段階でモメンタム(勢い)が相手に行って、なかなかジャパンのラグビーができない時があった。スコア自体は離れていなくて、食らいついてはいたんですけど、こっちのフィニッシュにはいかず、得点するのが難しかったです」

——攻撃中は、9シェイプと呼ばれる接点の周りのユニットでジャッカルされる機会が前半で2度、ありました。

「(フランス代表の)フィジカルは世界トップクラスで強いです。簡単にいいボールを出せないのは承知していますけど、そこで逃げていてはジャパンのラグビーは絶対できない。ブレイクダウンは修正が必要だと思います」

——さかのぼって12日、ロンドンのトゥイッケナムスタジアムでのイングランド代表戦は13―52で敗れました。

「個人というより、あの試合ではチームとしてセーフティなゲームをしてしまった。ジャパンのラグビーは、スペースがあればどこからでも攻めるし、それを9、10番で引っ張っていかなければいけなかったですけど、キックで相手に(いったん捕らせて)というのを優先してしまって、相手のやりたいテンポでやらせてしまったという反省があって。

きょうは当初のプラン(陣地を問わず攻めること)をやるには難しいグラウンドコンディション(雨天)だった。でも、それは(ワールドカップでも)ありえることなので、そこをどうしてくかも今後、考えていかなきゃいけないと思います」

——攻め手を探る過程での流選手のキックは有効打となり得ました。

「15番(フルバック)がひとりで(防御ライン)裏をカバーしていて、どっちかの(サイドの)裏にはチャンスがあると前半から見ていてもわかった。この天候だとボールを回すよりも、ディフェンスのラインスピードを上げた方が相手にプレッシャーがかかる。それをフランス代表もやってきていた。それ(日本代表の防御の圧力)でフランスにミスがあったのも、試合を観ながらわかっていた。それを狙いながら、プレッシャーをかけて再獲得したいな、という思いで蹴っていました」

——改めて、ワールドカップで上位国に勝つために向上させたいところは。

「全てのパートだと思います。セットピースから始まるのがラグビーなので、そこをしっかり球を出して、相手ボールの時はペナルティせずに我慢強くやる。またアタックは僕らの生命線なので、スペースに対してスキルを使って恐れることなくアタックし続ける。そうすれば相手は怖いと思うので、そこの精度を上げる」

——翌年へは。

「これから試合数を増やせと言っても簡単ではないですし、ある程度、決まっている来年の試合でしっかり結果を出す。国内リーグでそれぞれが責任を持って強化をする。レベルアップすることです」

 流が東京サントリーサンゴリアスの一員としてプレーする国内リーグワンは、12月17日に各地で開幕する。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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