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ボーアの「ボ」はボーンヘッドの「ボ」!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・ボーア(ロサンゼルス・エンジェルス)Apr 17, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジャスティン・ボーア(ロサンゼルス・エンジェルス)の「ボ」はボーンヘッドの「ボ」。あるいは、Bour(ボーア)の「B」はBonehead(ボーンヘッド)の「B」。そう形容したくなるようなプレーが続いた。

 4月13日、2死走者なしから、ボーアはライトへヒットを打った。二塁へ向かいかけた後に頭から一塁へ戻ったところ、返球がボーアの身体に当たり、ファウル・グラウンドへ。ボーアは立ち上がり、二塁へ走った。タイミングは際どかったものの、塁審は両手を広げてセーフを宣告した。捕手からの送球を受け、遊撃手がタッチするよりも早く、ボーアの左足がベースに達したと判定した。

 けれども、ボーアは塁審の動きを見ておらず、声も聞いていなかった。アウトだと思い込み、一塁側のダグアウトへ戻りかけた。一塁と二塁の間で、追いかけてきた遊撃手にタッチされた。

 その6日後、1死一塁の場面で、ボーアはポップ・フライを打ち上げた。通常なら二塁手がいる位置にシフトしていた、三塁手の真上だ。スタートを切っていた走者は、二塁の手前から一塁へ戻った。そのままいけば、2死一塁となるはずだった。だが、隣にいた二塁手に声をかけられた三塁手は、ワンバウンドさせてから打球を捕り、二塁に入った遊撃手へ送球した。ボールは一塁へ転送され、5-6-3のダブル・プレーが成立した。

 打ったボーアは走り出すことなく、ダグアウトへ戻りかけていた。

 これらのプレーは別にしても、大谷翔平が復帰すれば、ボーアは出番を失いかねない。4月21日時点の打率.203、出塁率.319、1本塁打は、アルバート・プーホルスの打率.238、出塁率.351、3本塁打を下回る。この成績からすると、大谷とプーホルスそれぞれがDHと一塁手として出場し、ボーアは控えに回されそうだ。

 また、エンジェルスでは、昨シーズンまで通算828打数で10本塁打だったトミー・ラステラが、57打数で6本のホームランを打っている。ボーアとラステラは、どちらも左打者だ。ラステラはこれまで二塁と三塁を守ってきて、一塁の守備についたのは2017年の0.1イニングしかないが、アーチ量産がこのまま続けば、プーホルスが休養する試合でも、一塁にはボーアではなくラステラが起用されてもおかしくない。ラステラが一塁を守る場合は、デビッド・フレッチャーが二塁に入る。ボーアもラステラと同じく右投げだが、メジャーリーグで一塁以外を守ったことはない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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