キャリアコーチング、有料転職相談市場の高まりに思うこと
こんにちは。アクシス代表の末永です。
中途の人材採用支援をしつつ、月40万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahoo!ニュース上では2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。
需要高まるキャリアコーチング市場
ここ最近キャリアコーチングサービスの需要が伸びてきています。
弊社でも「マジキャリ」という有料転職相談、キャリアコーチングサービスを提供していますが、転職者などの個人が費用を負担して、プロのコーチとの面談を実施する事で自己分析を深めたり、セカンドオピニオンのように転職活動をサポートしてもらうサービスです。
・キャリア設計にも「伴走」サービス 45万円を支払う「キャリアトレーニング」の利用者とは?(NIKKEI STYLE)
上記の記事にあるように、30万円から45万円と個人にとって決して安い金額ではありません。
それでも需要が高まっている背景として、志向の変化があるようです。
転職者の志向の変化「やりがい」が最多
エン・ジャパンが運営するエン転職のアンケート結果によると、転職について「真剣に考えている」「漠然と考えている」と回答した方の中で、「転職を考え始めたきっかけ(転職理由)を教えてください。」という質問に対して、20代、30代、40代のそれぞれの世代で2位の「給与が低い」を越えて「やりがい・達成感を感じない」が40%と最も多い回答となっていました。
・第70回テーマ: 「転職を考え始めたきっかけ」について(実施期間:2020年5月27日(水)~2020年7月28日(火)有効回答数:11,400名)
このアンケート結果を見る限り、世代を越えてやりがいを重視している人が増えているようです。
このやりがいを規定する要因としては、仕事内容そのものや上司のマネジメントスタイルなどもあるかもしれませんが、仕事内容と自分の価値観だったり適性とのマッチングが大きいと思います。
自分の価値観を把握せずに、やりがいのある仕事を選択する事は難しいですよね。
転職エージェントサービスの限界
仕事のマッチングと言えば、これまで転職エージェントやキャリアアドバイザーがその役割を担ってきました。
しかし、以下の記事にあるように、転職エージェントと転職者の価値観の相違によるミスリードも多く発生しています。
・「転職サポートで重要な価値観の確認。「当たり前」も人によって違う」(日本の人事部)
私自身ももともとは転職エージェントですが、上記記事のようなケースは現場感覚としてよくあるケースだと感じます。
このようなトラブルに至る原因として、転職エージェント側に思い込みやバイアスが存在している事もありますが、転職者側が自分の価値観を明確に言語化できていないという課題があります。
これらを言語化していれば、最初から転職エージェントに対しても自分の価値観を伝えた上で、それにマッチした求人を提案してもらう事が可能になります。
しかし、既存の転職エージェントサービスは、ビジネスモデルの特性上、どうしても求人紹介数が重要な経営指標となっています。
転職者の自己分析や価値観の言語化に時間や工数をかける事はコストであって、売上には直結しませんし、多くの転職エージェントは自己分析を専門にトレーニングやノウハウを積んでいるわけではありません。(一部エージェントはそのような企業努力を行っている場合もありますが)
価値観を言語化する専門サービスの必要性
このような文脈・背景から、今後価値観を言語化する専門サービスの重要性は高まっていくと思います。
その手段として、パーソナル・コーチングやキャリアコーチングサービスが発展していく事が望まれますし、マジキャリもその一助を担えればと思います。