農業の『多面的価値』-自然農畑は心の栄養になるー
無償で草刈りに来てくれてそれを楽しむ人たちがいる
農業の持つ多面的な可能性を改めて感じた1日でした。
この日は平日にも関わらず、畑のお手伝いボランティア募集したところ午前中に4人、そして飛び入り参加1人(YouTubeの視聴者さんで仕事の休憩中に立ち寄ってくれた方)が来てくださり、イチゴと玉ねぎの畝の草取りがきれいに完了!
そして午後からは午前中からの1人と午後からの2人が参加して下さり、これまたジャガイモやエンドウなど色んなところの草取りが完了し、更に里芋、ショウガ、ナスの植え付けまで出来ました!ありがてぇぇぇえ!!
ボランティアなので、こちらからの報酬などは無しで、そのことは事前にお伝えしたうえでの募集です。
(一応、お礼として実ってる野菜たちをセルフ収穫してお土産にしてもらってます^^)
参加してくださった方たちは時間の許す限り楽しく草刈りしてくださり、参加者さん同士で楽しくお話しされていました。
基本的に、私の自然農チャンネル見て下さってるコアな自然農ファンの方々なので話が合うみたいですぐに仲良くなって下さるのが素晴らしい。
この農作業ボランティア募集は、お手伝いしていただく代わりに農作業のやり方や栽培についてや自然農のことについて私がお答えするという企画でやってはいるのですが、毎回参加者さんたちは純粋に草刈りなどの作業を楽しんでらっしゃって、私も世間話程度にお話しする程度になってます(もちろん、質問されたことには全力で回答しています)
『草刈りはレジャー!』
と、今回草刈りに来てくれた方が言っていました。
その方は仕事としても草刈りを請け負ったりしているのですが、
『普通の田んぼや畑の草刈りはお金頂いててもちょっとしんどいけど、
ここ(ピースファーム)の草刈りはお金払ってでもやりたい!楽しい!^^』
とおっしゃっていました。
このことに、農業というか農の持つ食糧生産以外の価値、魅力の可能性を感じます。
やることは同じ『草刈り』なのに、
お金をもらってやる仕事にも、
無償で手伝いたいことにも、
さらにはお金を払ってでも体験したいレジャーにもなり得る。
しかも、うちの畑の草刈りって、雑草の中に残してほしい野菜たちが隠れているのでただ刈ればいい草刈りよりもめんどくさいハズなんです。
でも、それだからこそ面白く、やりがいも感じてもらえて楽しいみたいです。
それに一番は、この畑の雰囲気とそこにあるストーリーを感じ取ってもらえてるからじゃないかと思います。
お手伝いに来て下さる方たちは、口々に『いい畑だな~!』とおっしゃいます。
うちの畑みたいに雑草をはやしているけど適度に管理してそれを活かしている『自然農』の畑ってまだまだ少ないし、自然農をやり始めた人ややってみたい人にとっては一つの目標のようにできるので、そのこともあってとにかく楽しい、心地がいいみたいです。
『楽しい』は伝播する?
なにを隠そう、私自身がこの畑を一番楽しんでいます。大変なことや失敗して悲しくなることもあるけれど、それでもやっぱりここが好きで楽しい。
その思いを持って、心地よい空間にしようとほどほどに手入れをしてきたことで出来てきた畑です。
とはいえ、見る人によっては草だらけで管理できていない畑に見えるかもしれません。
でも、この畑が好きだと言ってくれて実際に何度も足を運んでくださる方々がたくさんいらっしゃるのも事実。
いろんな農業があっていい。
農業の本文、本来の一番の目的は食糧生産なのは間違いないのですが、生産効率を追求した結果、現代農業は持続性や環境負荷という点が問題視されるようになってきました。
私のやっている畑のやり方(自然農)は単位面積当たりや人的労働時間当たりでの生産効率は、現代の慣行農法に比べたら圧倒的に効率が悪いです。
でもその代わり、資源や資材を外部に依存することなく本当の意味での自給的で持続的な食糧生産が可能ですし、ゴミがほとんど出ません。
人の手間は掛かりますが、今回書いたようにその手間さえレジャーとして楽しむことができます。
とはいえ、このやり方だけでは現代人の食生活を支えることはできません。慣行農法による食糧生産があってこそ、こんなある意味とても贅沢な農のやり方ができています。
フードロスが問題になるほどに食糧の過剰生産と大量廃棄、さらに分配方法の問題で飢餓に苦しむ人々がいる一方で、飽食、肥満に悩みわざわざお金を払って痩せようとする人たちがたくさんいる現代で、自給的な自然農で体を動かし、土と生き物と人と触れ合うことができる畑のやり方は、緩やかで優しい問題解決法の一つになれるんじゃないかと考えています。
今回の記事に関連したお話をYouTubeチャンネルでも動画にしましたのでよかったら見てみてください^^