開店祝いや楽屋への差し入れにぴったり!「千客万来」は京都の老舗の白餡とバターが出会ったお饅頭
創業1716年、京都の老舗和菓子屋「笹屋伊織」さん。徳川八代目将軍・徳川吉宗公の就任と同じ年に京都にて産声を上げたお店です。元々伊勢の城下町で和菓子司(身分の高い方や高貴な方に献上する和菓子を製造する方、もしくは献上するお店)を担っていたという初代が京都に呼び寄せられ、以来多方面から信頼の厚い和菓子屋さんとして人気を博しているお店です。
今回笹屋伊織さんの和菓子でご紹介したいのが、開店祝いや舞台稽古(楽屋)への差し入れとして、菓銘も味わいもお日保ちも三拍子そろってぴったりな銘品!「千客万来」という焼き饅頭です。
細長い形状で淡く美味しそうなきつね色は、どこか洋菓子のような風貌。
まず大きな特徴といたしまして、非常にしっとりとした皮というのがあげられます。これは水分というよりも、乳脂肪分の力。バターや練乳が配合されただけではなく、湿潤な食感をプラスしてくれるはちみつも一緒に加えることにより、しっとりと口当たり滑らかな焼き皮に仕立て上げられています。一般的な蒸し菓子のお饅頭や栗饅頭のような焼き皮とも、マドレーヌやフィナンシェのような焼き菓子とも異なる和洋折衷のおいしいとこどりとはまさにこのことかと。
まろやかさと豊かなコクがを引き立ててくれるのが、さらりとした甘味の白餡とその中に閉じ込められている栗の甘露煮。刻まれた栗の甘露煮の食感は意外にも大胆で、ぽりぽりとした噛み応えは心地よいアクセントに。栗の素朴さが加わることにより、むしろより高級感が増すような気がします。
ミルキーかつはちみつの甘美な香気豊かなお饅頭は、ホットコーヒーとの相性が抜群!温かな珈琲が口の中の乳脂肪分を溶かし、ほろ苦さといい塩梅に混ざり合うようお互い生きピッタリな役割を果たしています。また、甘味の無いほうじ茶ラテともよく合います。
味わいだけではなく、お日保ちに関してもお手土産としておすすめしたい理由のひとつ。こちらは製造日より90日の賞味期限と公式サイトに記載されており(実際、私が8月に購入したものも賞味期限は11月末日でした)、慶事や差し入れでいただいてすぐ食べなくてはならないというプレッシャーを与えることなくお贈りできるというのは、周りとの差別化を図れる嬉しいポイントかと。なにかとあわただしい時期に、すぐに食べたくてはならない!と焦るよりも、思い出したときに肩の力を抜けるような存在の方が、ありがたい場合もありますよね。
ネーミング、味わい共にどんな方にも喜ばれそうなこちらの焼き饅頭を、ぜひご自身のお手土産候補リストに加えてみてはいかがでしょうか。