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トレードで移籍後は、打率.068と出塁率.068に長打率も.068。加入から約20日でDFAとされる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ポール・デヨング(トロント・ブルージェイズ)Aug 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月19日、トロント・ブルージェイズは、故障者リストに入っていたボー・ビシェットを復帰させ、ポール・デヨングをDFAとした。

 7月31日の試合で、ビシェットは右膝を痛めた。翌日、ブルージェイズは、ビシェットに代わって遊撃を守る選手として、セントルイス・カーディナルスからデヨングを獲得した。

 もっとも、トレードから20日足らずのDFAは、ビシェットが戻ってきたので、デヨングは不要になった、ということだけではない。ブルージェイズへ移ってから、デヨングは13試合で打率.068(44打数3安打)に終わっていた。出塁率と長打率も.068だ。

 四球と死球がなく、安打はすべてシングル・ヒット。犠牲フライも打っていないので、いずれも同じ数値となった。

 安打÷打数の打率が3÷44=0.68、(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠牲フライ)の出塁率が(3+0+0)÷(44+0+0+0)=.068、塁打÷打数の長打率は3÷44=0.68だ。

 移籍前の81試合は、打率.233(279打数65安打)と出塁率.297、長打率.412。それほど高い数値ではないが、13本のホームランと11本の二塁打を打っていた。2017年は25本塁打と26二塁打、2019年は30本塁打と31二塁打を記録している。

 ブルージェイズの控え野手のなかには、デヨングと違い、マイナーリーグ・オプションが残っている選手がいる。デヨングが、移籍前と同水準、あるいは移籍前より打っていれば、ビシェットが復帰しても、ロースターに残っていた――他の選手が降格となっていた――かもしれない。

 8月19日の試合で、ビシェットは5打数1安打ながら、そのヒットで走者を生還させた。デヨングは、13試合で1打点だった。

 ちなみに、ビシェットが離脱していた間、ブルージェイズは8勝8敗。ワイルドカード・レースの順位は、シアトル・マリナーズに追い抜かれ、3位から4位に下がっている。0.5ゲーム差とはいえ、このままではポストシーズンには進めない。8月19日は、4対3で勝利を収めたが、マリナーズも勝ったので、順位とゲーム差は変わっていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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