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ナ・リーグは勝率ワースト3位でもポストシーズン進出圏内まで1.5ゲーム差。ア・リーグは対照的に…

宇根夏樹ベースボール・ライター
エリー・デラクルーズ(左)とサンティアゴ・エスピナル(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ナ・リーグもア・リーグも、ポストシーズンに進出するのは15チーム中6チームだ。東地区優勝、中地区優勝、西地区優勝の計3チームに、ワイルドカードの3チームがポストシーズンへ進む。

 現在、各地区の1位と2位は、ア・リーグ東地区のニューヨーク・ヤンキースとボルティモア・オリオールズが1.5ゲーム差だが、あとの5地区は、いずれも5.5ゲーム以上の差がある。

 一方、ワイルドカード・レースは、ナ・リーグとア・リーグで、かなり異なる様相を呈している。ナ・リーグは、各地区首位の3チームを除いた12チーム中10位、勝率ワースト3位のシンシナティ・レッズでも、ワイルドカードの2番手に並ぶセントルイス・カーディナルスとワシントン・ナショナルズと1.5ゲームしか離れていない。

筆者作成
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 3チームが地区首位、3チームがワイルドカードの1番手~3番手(2位タイの2チームが2番手と3番手)、7チームがポストシーズン進出圏内まで1.5ゲーム差、ということだ。これらのチームを合計すると、3+3+7=13。マイアミ・マーリンズとコロラド・ロッキーズの2チーム以外は、ポストシーズンに進んでもおかしくない位置につけている。

 ア・リーグの場合も、当然ながら、3チームが地区首位、3チームがワイルドカードの1番手~3番手までは、ナ・リーグと同じ。だが、あとの9チーム中、ポストシーズン進出圏内まで5.0ゲーム差以内は、ボストン・レッドソックスだけだ。レッドソックスは、ワイルドカードの3番手にいるカンザスシティ・ロイヤルズと1.0ゲーム差だが、他の8チームはロイヤルズと5.5ゲーム差以上の差がある。

筆者作成
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 もちろん、売り手と買い手がはっきりしているトレードばかりではないし――例えば、ローテーションに入っている先発投手とレギュラー野手の交換など――売り手と買い手のどちらかに回るかを決める要素はゲーム差だけではないが、このままいくと、ナ・リーグで売り手は2チームだけ、となりかねない。それに対し、ア・リーグでは、半数前後のチームが売り手、ということもあり得なくはない。

 なお、ナ・リーグのマーリンズとロッキーズと同じように、ア・リーグの3チーム、シカゴ・ホワイトソックス、オークランド・アスレティックス、ロサンゼルス・エンジェルスは、地区首位とワイルドカードの3番手のどちらからも、10ゲーム以上離れている。この5チームが夏のトレード市場で売り手に回ることは、まず間違いない。

 今シーズンのトレード・デッドラインは、7月30日だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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