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心理学者がおすすめする、考えごとで寝られない人が3つ取り組んだら、気づけば意識を失っていた

赤田太郎の仕事に役立つ心理学常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

みなさんこんにちは。仕事に役立つ心理学の赤田太郎です。

普段は大学教員として心理学の教育や研究を行い、また学校や企業でのカウンセリングなどの実践から、You Tubeインスタでこころの健康の大切さをSNSで発信しています。

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考えごとをしてしまって、なかなか寝れない…。こういうことって、ありますよね。おまけに、嫌なことばかり頭に浮かんでくる。そして、自分が悪いと責めてしまう。。。

今回の記事では、考えごとをして眠れなくなる仕組みと、心理学者の私も取り組んでいる、毎日考えごとで寝られない時に3つ取り組むことで、気がつけば意識を失っていたように眠ることができる方法についてお話したいと思います。

考える原因は解決したい切なる気持ちそのもの

まずはじめに、私たちは、なぜ寝る前に考えごとをするのでしょうか?それはずばり、解決したいという強い気持ちからきています。悩みを解決するために、当たり前のように脳を使い、その解消のためにどうすればよいか考えます。

けれど、この作業をしているとき、いつもと違うことに気がつきませんか?

思いついたことが、すべてマイナスなことばかりなのです。だからこそ、更に考えることに必死になります。もっと良い解決法を考えないと、と必死になることで、その考えを止めることができなくなります。また、良い解決法は思い浮かばず、ネガティブなループが続きます。これが結果的に眠りを妨げてしまうのです。

このループを止めることができなければ、眠れないという状況が続きます。また、不幸なことを考えることで、自分に自信がなくなっていきます。更に気持ちが落ち込んで、何もできなくなります。このことをうつ状態といいます。うつ状態はなかなか自分では気がつきにくいので、もし、うつ状態になっているなら、今からお話する解決法を早速行いましょう。

考えごとをストップさせる3つの解決法

この考え込む負のループを止めるために、どうすればよいのでしょうか。心理学者である私がカウンセリングでおすすめしている3つの方法をお話していきたいと思います。

①ストップシンキング

ストップシンキング、つまり思考を止めるという方法です。そのやり方は、「もう終わり!」など、自分で合図をして考えごとをやめてしまうのです。え、そんな単純な方法なの!?と思われたと思いますが、うつ病の治療法で有名な認知行動療法では、思考停止法と呼ばれ、かなり効果があるとされています。

ただ、これを成功させるにはコツがあります。それは、「いくら考えごとをしても良い解決法は見つからない」ということをしっかり理解しておくことです。

振り返ってみてください。あなたは考え込むことで素晴らしい解決法を見つけたことはありますか?

無いはずです。

長年のカウンセリング経験でも、見つけた人はただ一人もいませんでした。思考停止法をする時には、「 絶対考えこんでも無駄!」と信じることが、成功のコツになります。

②呼吸に意識を向ける

しかし、それでも考えてしまうものです。そういうときには呼吸に意識を向けましょう。どうするかというと、自分が息を吸っていること、息を吐いていることに意識を向けます。つまり、意識的に息を吸っている、息を吐いていることに注意を向けるのです。

私たちは、呼吸を無意識に行っています。無意識に行っている呼吸を意識することで、脳を考えごとのないニュートラルな状態にできるとされます。これを専門的にはデフォルトモードネットワークと呼びます。

呼吸に意識を向けてください。吸っているときには「吸っている」「吸っている」吐いているときには「吐いている」「吐いている」このようにつぶやきながら呼吸に集中します。そうすることによって、ぐるぐるしている考えごとから脳を開放するのです。

③雑念こんにちはさようなら法

それでも、呼吸に意識を向けていると、どうしても気が散ったり、飽きたりするものです。結果的にまた再び考えごとをしている自分に気づくかもしれません。

ここで重要なのは、今考えごとをしている自分に気づく、ということです。この考えごとを「雑念」と呼びます。「あ、いま考えごとをしていたな」「あ、これは雑念だな」このように客観的に雑念が浮かんできていることを認めて、そこから距離を取ります。そして「呼吸に戻ります」そうして再び呼吸を意識するようにしてください。これが通称「雑念こんにちはさようなら法」です。

浮かんでは消えていく雑念を眺めるように見つめる。そうすることで、雑念から客観的に距離を取ることができるようになります。

意識的に考えごとをストップして意識を失おう

いかがでしたでしょうか?

今回の記事では、寝る前に考えごとをする理由を理解したうえで、意識的にその考えごとから距離を取る方法について取り上げました。

この3つの視点について取り組むと、過ぎ去った過去に後悔することや、まだ起きてもいない未来に不安を感じることから距離を取り、今を大切にすることができるようになります。その結果、精神的な緊張感が和らぎ、睡眠をゆっくりとれるようになると思います。

さらに、雑念があまりにも強すぎる人のために、専門的に雑念から解放される方法とそのメカニズムについて詳しく解説している動画を、以下のリンクに貼っておきますので、さらに雑念と呼吸の意識のことを知り、改善につなげていきたい方は、動画のリンクから詳細の解説をぜひご覧ください。

記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

赤田太郎の仕事に役立つ心理学では、社会のおける心理学的な解説そして仕事に役立つ心理学をお届けします。よろしければ フォローをよろしくお願いします。

また次の記事でお会いしましょう!

常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

常葉大学(浜松)健康プロデュース学部心身マネジメント学科/常葉大学大学院健康科学研究科臨床心理学専攻 准教授。立命館大学/武庫川女子大学・大学院非常勤講師。働く人と家庭のメンタルヘルス・ストレス・トラウマが専門。働くみなさんにこころの健康の大切さを伝えるために、誰でもわかりやすい心理学をYouTube・Instagramで発信しています。

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