ワーキングメモリの心理学:頭がゴチャゴチャになるのはなぜ?子供が言うことを聞かないのはなぜ?
<子供が言うことを聞かず反発するのは、悪い子だからではなく、ワーキングメモリが不足しているかもしれない>
■記憶とワーキングメモリ
私たちが生活できるのは、記憶があるからです。自分が誰で相手が誰かを忘れてしまったら、仕事も遊びも恋もできません。
記憶の中には、長く覚えている長期記憶と、短い間だけ記憶している短期記憶があります。何十年とずっと覚えていて、この先もずっと忘れない大切な長期記憶もあるでしょう。
一方で、すぐに忘れてしまう記憶もあります。すぐに忘れてしまうような記憶は、どうでも良いことでしょうか。しかし、例えばこの文章を読んでいて、2行前の文章の内容を忘れてしまうとしたら、文章を読んで理解する事はできません。
今日の何気ない会話を何年も覚えているわけではありませんが、2秒前の会話を忘れてしまうとしたら、会話になりません。
このように、会話をしたり文章を読んだりするなどある作業をするときに必要な短い記憶をワーキングメモリといいます。運転をしながらカーナビを見ながら、助手席の人と会話をしたりもします。このような複数の作業を同時に行うのも、ワーキングメモリーの働きです。
以前の心理学では,記憶を短期記憶と長期記憶に分けて考えてきましたが、近年の心理学では、ワーキングメモリの概念を使うようになっています。ワーキングメモリの考え方を使って、様々な心の問題についての研究が行われています。
このワーキングメモリーは、無限にどこまでも働くわけではありません。人により状況により、上限なあります。例えてみれば、パソコンのメモリです。メモリがたくさんあれば、いちどにたくさんのアプリケーションソフトを立ち上げて、同時に動かすことができます。
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