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大型の台風5号 11日(月)は大雨に警戒

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
台風5号の進路予想図(6月8日午後3時現在の予想)

 台風5号は発達しながら、足早に北上し、11日(月)には東日本に近づくおそれがある。さらに、梅雨前線と上空の寒気が影響し、広い範囲で雨が強まる見通し。

今年初の接近台風

 台風5号は8日(金)午前3時、フィリピンの東で発生しました。広範囲に発達した雨雲を伴っているのが特徴で、午後3時には大型の台風となりました。9日(土)は沖縄地方の海上で、波やうねりが高くなるでしょう。

 台風5号は今後、発達しながら日本の南海上を北上し、11日(月)には東日本の南海上に達する見通しです。

 台風が発生してから短期間で近づくこと、休み明けの月曜日に影響があることから、台風への備えが不十分になりやすい。雨が強くなる前に、身の回りを確認しましょう。

6月台風は2つのコース

 これまで(1951年から2017年まで)、6月に発生した台風は118個、そのうち6月前半に発生した台風は42個です。

 それらがどのようなコースをたどったのか、模式図にしてみました。すると、2つのコースがあることがわかりました。

6月前半の台風経路図(模式図,著者作成)
6月前半の台風経路図(模式図,著者作成)

 一つは、大陸に進むコース。もう一つは北緯20度付近で転向し、日本の南海上を北東に進むコースです。今回の台風5号は後者で、現在は日本の東海上で太平洋高気圧が強いために、高気圧の縁を流れる風に乗って、北上する見通しです。

梅雨前線と上空の寒気

 11日(月)はどんな天気になるのでしょう?

予想天気図を描いてみると、太平洋側に梅雨前線、西日本には強い寒気と、台風のほかにも強い雨を降らせる要因があります。

6月11日(月)朝の予想天気図(著者作成)
6月11日(月)朝の予想天気図(著者作成)

 台風から、前線から遠い場所でも、大気の状態が非常に不安定となるでしょう。関東地方はもちろんのこと、西日本や北日本でも雨が強まるかもしれない。今後の台風情報と雨雲の予想に十分、お気をつけください。

【参考資料】

気象庁ホームページ:台風情報

気象庁:台風第5号に関する情報 第4号,6月8日16時50分発表

デジタル台風

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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