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台風ラッシュと11月の夏日

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
【台風の進路予想図】日本のはるか南で、次々と発生した台風、ウェザーマップ作画

 9日午後、日本のはるか南で、台風23号と台風24号が発生しました。そして、今後24時間以内にまた一つ台風が発生する予想です。

 いずれの台風も西に進む予想で、日本に近づくことはないでしょう。ただ、間接的には台風の影響があると思います。

 それは季節の歩みを止めることです。台風の北側には太平洋高気圧=夏の高気圧が居座り、北からの冷たい空気を押しとどめています。

11月10日午前9時の雲画像、ウェザーマップ作画、筆者加工
11月10日午前9時の雲画像、ウェザーマップ作画、筆者加工

 9日は沖縄・奄美で記録的な大雨となり、11月としては初めて大雨特別警報が発表されました。季節外れと言うよりも、今年は季節の進みが遅く、本来の11月ではないと思います。

11月でも夏日

 一方で、7日は東京地方と近畿地方で木枯らし1号が吹き、青森と盛岡では初雪が降りました。季節は行きつ戻りつなのでしょう。

 この先もっと寒くなるのかというとそうでもないようです。全国的に暖かい空気に覆われて、10月並みの気温となる所が多く、西日本では25度の夏日予想もあります。暖房費を思えば、暖かい方がいいかもしれませんが。

この先一週間の天気と最高気温の予想、ウェザーマップ作画
この先一週間の天気と最高気温の予想、ウェザーマップ作画

師走入りも暖かく

 当初は11月頃から寒くなる予想でしたが、気温の高い状態がずるずると長引いています。12月は寒くなるという予想もありますが、最新の1か月予報では少なくとも12月上旬までは気温が高い見通しです。

最新の1か月予報(11/9~12/8):平均気温の予想、ウェザーマップ作画
最新の1か月予報(11/9~12/8):平均気温の予想、ウェザーマップ作画

 台風ラッシュに、夏の高気圧の居残り、根本的には北半球全体の温度が高くなっている影響と言えるでしょう。気温が上振れしやすい状況は今年限りではないかもしれません。

 今後、本格的な寒さはいつになるのか。気温の行方に注目しています。

【参考資料】

気象庁:1か月予報(11/9~12/8)、2024年11月7日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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