各地で謎の傘型の閃光を目撃(2022年)正体は韓国の新型ロケット?UFOの襲来?
2022年12月30日の夜6時頃、関東から九州までの広い範囲で、黄色っぽい光が上空に高速で上っていくという目撃情報がSNSに相次いで投稿されました。光はそのあと三角形に広がっていき、数分間にわたって見ることができたとのことです。そして、徐々に薄まって見えなくなりました。本記事では目撃された閃光の正体を解説していきます。
■閃光は日本・韓国など広範囲で目撃
流れ星や火球であれば、10数秒で光は見えなくなり煙も広がることはないため、専門家によると今回の光はロケットによるものではないかと推測されています。しかし、これだけ広範囲でロケットの噴煙が見えるのは非常に珍しいケースとのことです。
そして実はこの現象、日本だけではなく韓国でも目撃されていたのです。韓国の各地でも、「ミサイルのようなものが飛んでいる」といった通報が相次いでいたということです。昨今の北朝鮮の情勢を考えると、市民が不安を抱く気持ちもわかりますよね。ちなみに、その数日後には北朝鮮は弾道ミサイル3発を、北東方向に向けて発射したとのことです。それらはいずれも、最高高度約100kmで日本の排他的経済水域に落下しています。
■正体は韓国の新型ロケット?
そして、昨日の閃光騒動のあと、韓国国防省より緊急で、固体燃料ロケットの打ち上げ実験に成功したとの発表がありました。今回の打ち上げの目的は、監視や偵察などの国防力強化とのことです。元々打ち上げを発表していたなかった理由として、軍事保安上の問題で広く国民に予告することができなかった、とのことです。
実は、この固体燃料ロケットの打ち上げは初めてではなく、今年3月にも韓国は同型機の打ち上げを行っています。その際は、ロケットの多段分離や、姿勢制御などの検証が目的とのことでした。そして今後も数年間かけて打ち上げを行い、この固体燃料ロケットを完成させる予定です。
■韓国は今後も固体燃料ロケットの開発を継続
実は韓国は、昨年までアメリカと取り交わした指針に基づき、固体燃料ロケットを打ち上げることが制限されている状況でした。しかし、この制約を撤廃する合意がアメリカとの間で取れたため、今回のように国防目的の固体燃料ロケットを打ち上げ始めていると考えられています。
固体燃料ロケットは液体燃料に比べて構造が簡単で、開発や製作も安く迅速に打ち上げることが可能になります。そのため、多くの小型衛星を地球低軌道に上げられる点で、この固体燃料ロケットの開発に踏み切ったと考えられています。
今後も予告なしに打ち上げが行われると、その度に閃光に日本がパニックになってしまいますね。せめて打ち上げ日時だけでも発表してもらいたいとも思います。
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