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コロンビアに大敗した従来の日本式サッカーを、的確にアップデートする方法

杉山茂樹スポーツライター
2014年ブラジルW杯 日本 1-4 コロンビア(写真:ロイター/アフロ)

 ハリルホジッチを解任した田嶋幸三会長は、その会見の席上で、「日本らしいサッカーを」と述べた。西野新監督も就任会見で「日本化したフットボール」と言い、日本サッカー界がこれまで積み上げてきたものに活路を求めようとする姿勢を示した。

「技術力を最大限生かし、組織的に結束して戦う強さ、化学反応を起こした上で戦う強さをベースにして……」と。

 しかし、この歯切れの悪い言葉を聞いてもわかるとおり、説明には具体性が欠けている。日本サッカー界を代表する2人のトップの口から出る言葉として、これはあまりに弱々しく、貧しい。目指すサッカーを日本語で的確に表現できないところに、日本サッカーの弱みが垣間見える。

 世間から高い関心を集める記者会見は、メッセージを発信するまたとない機会だ。田嶋会長は先日の日曜日、NHKのサンデースポーツに出演。その機会を得たが、ここでも、解任会見、就任会見と同レベルの答弁に終始した。

 指導者が、目指すサッカーをファンやメディアに、わかりやすく伝えることができないのは、この2人に限った話ではない。Jリーグの試合後、対戦した両チームの監督は、会見をすることが決まりになっているが、そこで出てくる日本語のレベルも、かなり貧しい。記者からの突っ込みが弱いこともある。話術が鍛えられにくい環境にある。日本と海外のトップレベルとの差を探ろうとした時、この指導者が発する言葉の貧しさは、日本に不足する要素として1、2を争うものになる。

 日本サッカー協会の指導者は、ご承知のようにライセンス制になっていて、最高位はS級になるが、喋りに関してそこでどんな指導が成されているだろうか。

 監督の生命線は口だ。説得力のある言葉を、どれほど吐き続けることができるか。監督のカリスマ性はそれに比例する。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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