ハリル報道を混乱に導く”日本化”したフットボールの正体
キャスターが大越健介氏に変わり、番組の雰囲気が本格色の強い大人っぽいムードに様変わりしたサンデースポーツ(NHK)。民放のスポーツ単独のニュース番組がほぼ消滅した中、この番組はスポーツファンにとって貴重な存在になっている。
言い換えれば、2020年東京五輪との整合性を思わず疑いたくなる、スポーツ貧国ぶりを象徴する一件だ。民放の悲しい状況を踏まえれば、サンデースポーツは日曜日だけでなく、月火水……と毎日、放送されるくらいでないと、日本人がスポーツ好きの国民であることの証しにはならない。
その前々回の番組には、サッカー協会の田嶋幸三会長が生出演。ハリルホジッチ解任、西野朗新監督誕生という物議を醸した交代劇について、大越キャスターの問いかけに、田嶋会長が答弁するという形で番組は進行した。
その中で最も違和感を覚えたのが、西野新監督が抱負を語るVTRが流れた後、大越キャスターの口から出た台詞だ。
「いまの話(西野さんの話)でポイントになるのは、“日本化”したフットボールだと思いますが、ハリルホジッチを呼んだ理由というのは、日本化を脱皮し、縦に速い、当たりの強いサッカーを劇薬として入れようとしたわけですよね?」
この設問を考えたのは大越キャスター自身なのか。台本を作った人なのか、定かではないが、代表チームを巡る日本サッカーの流れは、そうしたストーリーではない。
この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2018年4月
税込550円(記事4本)
2018年4月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。