平昌パラリンピックが始まる前に【パラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)】を知っておく!!<2>
来年3月9日から18日まで韓国で開催される「ピョンチャン(平昌)パラリンピック」は、昨季の世界選手権(Aプール)の結果により、カナダ、アメリカ、韓国、ノルウェー、イタリア が、既に出場権を獲得。
日本は、スウェーデン、ドイツ、チェコ、スロバキアとともに、(開催国出場権が行使されなかったことから)残り「3つ」の出場権を懸けて、「最終予選」へ挑みます。
国際パラリンピック委員会は、5か国が総当たりするフォーマットで、10月9日(現地時間)から14日まで、スウェーデン中部の都市 エステルスンドを舞台に、「最終予選」を行うと発表。
日本代表の選手たちは、先月半ばに韓国のクラブチームとの試合に臨んだのに続いて、今日からピョンチャン パラリンピックの会場となるカンヌン(江陵)アイスホッケーセンターへ赴き、「日韓親善国際大会」に挑み、大一番に備えます。
最終予選へ向けて腕を磨き続けている日本代表の選手たちが、2大会ぶりの出場権を勝ち取ってくれることを期待して、「これだけ知っておけばOK!」な、パラアイスホッケーの基礎知識をお届けしていますが、先月18日の パラアイスホッケーは、どんなスポーツなのか」に続いて、今日配信するのは、「どんな人が試合に出場できるのか?」 です。
なかなか知る機会のない国際大会への出場資格について、日本代表のチームドクターを務める、長野赤十字病院 リハビリテーション科部長 加藤光朗氏にご協力をいただき、最新(2017年6月版)の出場資格を紹介します。
▼パラアイスホッケーの出場資格
他のチームスポーツに見られるようなポイント合計制ではなく、下記の5項目のうち、1項目でも該当すれば、出場資格が与えられます。
<1>四肢欠損:足関節より上での欠損
(注)足関節離断は可。
<2>筋力低下:両下肢徒手筋力(MMT)テスト10点以上の減少。
(注)8つの運動(股関節の外転、内転、屈曲、伸展、膝関節の屈曲、伸展、足関節の背屈、底屈)についてMMTを測定する。
十分な筋力5点。やや弱い4点。重力に抗する運動可能3点。それ以下の筋力0点とし、合計点70点以下で資格を得る。
<3>関節可動域制限:30度以上の膝伸展制限または足関節強直。
<4>失調、アテトーゼ、低緊張。
以下の方法(ユタ大学テスト)で評価し、合計点が3点以下で資格を得る。
1,座位から足関節を底背屈して床をタップする。(15秒に30回以上で1点。未満で0点)
2,座位から踵を対側脛の上で膝から足関節までスライドさせる。(30秒に50回以上1点、未満で0点)
3,座位からつま先で検者の指を触る.検者は指の位置を変える。(指示どおりできると1点、未満で0点)
4,タンデム歩行:12メートルほど踵と、つま先を接触させて歩行。(指示どおりできると1点、できないと0点)
5,15~20メートルまっすぐジョグする。(指示どおりできると1点、できないと0点)
6,15メートルほど、 クロスオーバーステップ、及びキャリオカ(カリオカ)ステップをする。(指示どおりできると1点、できないと0点)
<5>脚長差7センチ以上
尚、この基準は、日本国内で開催されるクラブチームによる選手権大会などでは用いられないため、国内大会には健常者を含め誰でも参加することが可能です。
★ 協力: 日本パラアイスホッケー協会。日本代表チームドクター・日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医 加藤光朗氏