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世界第3位に輝いたヤングなでしこ。21人が目指す次のステージとは?(4)

松原渓スポーツジャーナリスト
U-20女子ワールドカップで3位に輝いた(C)松原渓

U-20女子ワールドカップで、ヤングなでしこがアメリカとの3位決定戦に勝利し、銅メダルに輝いた。

世界第3位に輝いたヤングなでしこ。21人が目指す次のステージとは?(1)(2)(3)

【選手コメント(U-20アメリカ代表戦後)】

MF 長谷川唯

ーーアメリカとの3位決定戦を振り返って、いかがですか?

自分たちがボールを持つ時間が長くて、前半は人数をかけたり、もう少し相手を寄せ付けてからスルーパスを出すことができたら良かったです。なかなかゴールまでつながらなかったのは今後の課題です。

ーー戦い終えて、試合で得た一番大きな収穫はどのようなことですか?

(ゴールを決めて)試合を決めきれる人がピッチに必ずいないと、こういう大会では優勝までたどり着かないというのが今大会の印象です。いくらボールを支配していても、最後は結果なので、今大会は内容は良くても勝てないところはまだまだですね。

ーー観客が沸くプレーも多かったと思いますが、ご自身ではどのように感じていらっしゃいましたか?

本当に優しい方が多くて、バスに乗っていても手を振ってくれたり、本当に温かい人が多い国だと感じました。自分はアイデアだったり、そういうところで観客に見せていくのも大事だと思っているので、そういう部分では楽しんでもらえたのかな、と思います。本当は決勝の舞台で見せたかったですね。

ーー今日が最後の試合になりましたが、あらためて、どんなチームでしたか?

本当に仲が良くて、オンとオフがハッキリしていて、面白い人もたくさんいるチームです。練習では高倉さんや大部さんも厳しいですが、お互いが厳しく言い合うということを練習の中でやってきたので、合宿を重ねるごとに強くなれたのかなって思いますし、今大会だけでも1試合1試合成長できたのは、みんなの意識が高かったからだと思います。

ーー次はいよいよA代表を目指すことになりますが、どのような意気込みを持っていらっしゃいますか?

本当はもっと早くなでしこ(ジャパン)に入ることが目標だったんですが、その中でU-20ワールドカップを目標にしてきました。結果は3位で届かなかったんですが、今大会の敗戦で得たことは大きいと思うので、必ずそれを活かして、なでしこジャパンで世界一を目指したいと思います。

ーー普段のリーグから、どういう風に世界との戦いをイメージしてプレーしたいと考えていますか?

足の伸びとかは日本では体験できないことでした。アジアの大会では出会えないような、フランスのような相手と試合ができたので、日本ではもっと深い切り返しでかわしたり、ということを意識してやらなければ、この後なでしこジャパンに行っても世界一は目指せないのかなと思います。

ーー(怪我で大会に来られなかった)清水(梨紗)選手に良い報告ができますね。

本当は優勝が良かったんですけど、最後は勝てたので、ユニフォームと一緒に届けたいと思います。メダルもあげちゃいたいぐらいです(笑)。

GK 平尾知佳

ーー銅メダルを獲得されて、今のお気持ちはいかがですか?

金メダルを獲りたかったんですが、最後に勝てて、メダルを持って帰れることについては嬉しい気持ちでいっぱいです。

ーーこのメダルはこれからの人生でどんな意味を持つと思われますか?

目指しているのはなでしこジャパンでオリンピックやワールドカップで優勝することなので、通過点として銅メダルを獲れたということは自分自身にとっても大きいです。この経験を活かして、なでしこジャパンに入れるように頑張ります。

ーーこのチームでの活動を振り返ってみて、いかがですか?

今日の試合前のミーティングで号泣してしまったんです。監督から一言をもらって、監督が指名した人が一言、言うことになったんですが、そこでも号泣してしまって。その後に映像を見たんですけど、そのビデオでも号泣して試合に臨みました。キャプテン(乗松)の「このメンバーでやるのは最後だから、勝って終わろう」という言葉で、気持ちが入りました。(ケガで欠場した)キャプテンのためにも、勝って終われたのですごく良かったですね。やっぱり、本当に、先輩・後輩関係なく、いろんなことを言い合えるチームでした。

ーーなでしこジャパンへの想いを聞かせてください。

今シーズンはあとは皇后杯しかないんですけれど、試合に出て、自分の力で試合を勝たせるようなプレーをしていきたいです。来シーズンのなでしこリーグに向けてコツコツと練習をして、チームを勝たせる選手になりたいです。

MF 隅田凜

ーー銅メダルを獲得された、今の気持ちを教えてください。

結果として3位になれたのは良かったんですが、ゲームを振り返ってみると、自分たちのミスが目立って、中に入って崩していくというシーンではまだまだ力が足りないと感じました。

ーー乗松選手を欠いた中での試合でしたが、どのような意気込みで臨まれたんでしょうか?

ミーティングでモチベーションビデオを見たんですけれど、みんな悔しい思いをしてここまで来たというのを確かめて、本当に、ここに来られなかった選手や試合に出られない選手の分まで戦おうと、みんなで気持ちを一つにして入りました。

本当に、(乗松)瑠華もやりたかったと思うんですけど、代わりに自分たちで引っ張っていかなきゃいけないなと思っていました。絶対に3位で終わってみんなで喜びたいと思っていたので、勝てて本当に良かったです。

ーー銅メダルはどのような重みがありますか?

世界大会でメダルを獲れたのは初めてですし、ここまでこられたのも初めてです。ただ、チームとして2年間優勝を目標にしてやってきたので、やっぱり悔しい思いがあります。

ーー今後のなでしこジャパンへの思いを聞かせてください。

この大会が終わったら、次はなでしこジャパンを目指して、チームで高いレベルでやっていかなきゃいけないと思います。チーム(ベレーザ)でもなでしこ(ジャパン)に入っている選手がたくさんいるので、チャンスはあると思っています。

でも、このままでは入れないと思いますし、フィジカル面をもっと強化して、ゴールを意識したプレーをしたいと思います。

(5)【選手コメント(U-20アメリカ代表戦後)】

に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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