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世界第3位に輝いたヤングなでしこ。21人が目指す次のステージとは?(3)

松原渓スポーツジャーナリスト
ゴールデンボール(最優秀選手賞)を獲得した杉田(中央)(C)松原渓

U-20女子ワールドカップで、ヤングなでしこがアメリカとの3位決定戦に勝利し、銅メダルに輝いた。

世界第3位に輝いたヤングなでしこ。21人が目指す次のステージとは?(1)(2)

【監督・選手コメント(U-20アメリカ代表戦後)】

高倉麻子監督 (試合後記者会見)

ーー本日の試合を振り返っていかがですか?

アメリカは素晴らしいチームでした。ありがとうと伝えたいです。大会を開催してくださった方々にお礼をいいたいですし、素晴らしい環境で試合ができて、選手たちはとても幸せだったと思います。私たちの目標は世界一でしたけれども、残念ながら準決勝で敗退してしまいました。選手たちはそこから学んでくれると思いますし、ここからがスタートです。今日の試合の動きは良かったとは言えないのですが、ここから選手たちが強い気持ちをもって、日本代表でまた世界一を目指して戦ってくれることを強く願っています。

ーー準決勝のフランス戦と同じく、日本がいい流れで試合を進める時間帯が多かったと思いますが、課題を挙げるとすればどのようなことですか?

長い間、コンビネーションをテーマに取り組んできましたけれど、相手の変化を見てそのコンビネーションを使えるテクニックが大事になってきます。足先のうまさだけでなくて、世界レベルで通用する本当のテクニックを磨いていってほしいと思います。

ーーゴールを決めた上野選手の活躍についてはいかがですか?

彼女は大会間近になってチームに合流した新しい選手なんですけれども、ボール感覚は本当にいいものをもっています。けれども、まだまだプレーがよくなる余地はたくさんあると思うので、彼女のこれからに期待しています。

ーー今回の出場選手たちは2019年ワールドカップ、2020年のオリンピックに向けて、これからA代表に入ってくる選手もいると思いますが、どのようにお考えですか?

(今回の)U-20の選手たちは将来を期待されている選手が多いんですが、今大会で6試合を戦ってみた結果、正直、トップにはまだまだ足りないと感じます。もちろん、この選手たちが上(の世代)を押し上げて日本代表を強くしていかないといけない、ということは強く言っていますが、まだ技術的にも判断も精神的にも、一段も二段も上に上がっていかないと、力が及んでいないと思うので。少しずつ融合していければいいかなと思います。

MF 杉田妃和(試合後会見/プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)

ーー今日の試合を振り返って、いかがですか?

まずは、勝てたことが嬉しいです。自分自身、もっと攻撃にかかわっていこうと思っていたんですけれど、これまでのどの試合よりも自分らしいところが出せたので良かったと思います。

ーー2014年のU-17ワールドカップと比べて、大会を通じて感じた違いと、来年以降の目標を聞かせてください。

U-17の時のワールドカップと今大会の違いは、個の強さです。今回は体で当たり負けしてしまうところや、個で勝てないところがたくさんあって、少し年代が上がっただけですけれど、大きな違いを感じました。今大会は優勝を狙って戦ってきましたが、優勝できなかった悔しさを、自分のこれからのサッカーでもっと突き詰めていけるように、シビアに頑張っていきたいと思います。

(ゴールデンボール受賞後)

ーーゴールデンボールを受賞されて、今の率直な心境をお聞かせください。

名前を言われた時に、本当にびっくりしました。何回も聞き直してしまいました。本当に嬉しいです。

ーーあらためて今大会のご自身のプレーを振り返って、いかがでしたか?

初戦から徐々にコンディションが上がってきて、今日の試合は自分らしさも出せていたと思います。ただ、周囲の選手との連携がうまくいくようになったことで自分らしさを出せるようになったので、本当に、周りの選手との連携の大切さを感じました。

ーー表彰式で北朝鮮の選手たちがトロフィーを掲げているのをどのような気持ちでご覧になっていたのでしょうか?

U-17(女子ワールドカップ)の時は、自分たちが喜ぶ側だったんですが、今日、横からその姿を見る立場になって、やっぱり1位になるということはすごく難しく、大変なことだと感じました。

ーー個人としても、U-17女子ワールドカップに続いて2つ目のゴールデンボール獲得ですが、重みは違いますか?

そうですね。U17の時は、嬉しさが一番最初に来たんですが、今回は嬉しいのと同じぐらい驚いています。U-17の時よりも、倍以上に重たい気がします。

DF 市瀬菜々

ーーワールドカップで6試合を戦い抜きました。ご自身がこれからDFとして伸ばしていきたいところはどのようなことですか?

世界の選手相手だと、スピードやキープ力とか、センタリングも通用していなかったので、体作りから変えていって、さらにレベルアップしていきたいです。自分たちは2年間ずっとラインの上げ下げを意識して守備を練習してきたので、そこは(準決勝の)フランス戦でも通用していたと思っています。相手に裏への良いボールを蹴らせない守備ができていたので、もっと質を上げていきたいですね。

ーー立ち上げから2年半、このチームへの思いはいかがですか?

自分はこのチームがめっちゃ好きだったので、とても寂しいですね。

ーーメダルへの思いは、U-17ワールドカップで優勝した時とは違いますか?

金メダルを取れなくて、結果的に銅メダルになったんですが、U-20で取れたということは大きいと思います。今後の自信にもつながるし、また、課題もいっぱいこの大会で見つけられました。今のままではなでしこジャパンに入っても通用しないと思うし、一つひとつの質を高めていかなければいけません。日本に帰ってからの練習で、もっと自分自身を高めていきたいです。

(4)【選手コメント(U-20アメリカ代表戦後)】

(5)【選手コメント(U-20アメリカ代表戦後)】

に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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