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アルガルベカップに臨む、なでしこジャパン。初戦に向けて高まる競争力(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
様々な組み合わせでゲームを行なった(C)松原渓

2019年のフランスワールドカップ、2020年の東京オリンピックに向け、なでしこジャパンがいよいよ本格始動する。

高倉麻子監督の下、2016年6月に新たなスタートを切ったなでしこジャパンは、国内リーグの合間を塗って、これまでに2度の海外遠征と3度の国内合宿を行ってきた。そして、このアルガルベカップは、新生チームで臨む初の国際大会である。

アルガルベカップに臨むなでしこジャパン。初戦に向けて、高まる競争力(1)

【監督・選手コメント】

高倉麻子監督(右は大部由美ヘッドコーチ)
高倉麻子監督(右は大部由美ヘッドコーチ)

高倉麻子監督

ーー選手たちのコンディションはいかがですか?

1月(の国内合宿時)はオフ明けで、コンディションにもばらつきがあったのですが、今回は、みんなある程度コンディションを上げてきて、ゲームができるぐらいの体にはなっています。

調整しようと思っていても、ボールを使うと(コンディションが良いので)それなりの(しっかりした)練習になってしまいますね。大会が楽しみです。

ーー大会初戦までに時間は限られていますが、連携面の手応えはいかがですか?

なるべく多くの選手が、違うタイミングで関わっていく状況を(練習の中で)作っていこうと思っていたのですが、こちらの要求に対して(選手の)反応が良いので、質の高い練習ができています。気持ちの面でもやる気を見せてくれる選手が多いので、こちらも要求を高くしています。いろいろな個性があるので、それぞれの選手が味を出してくれたらいいなと思っています。

ーー選手のモチベーションの高さをどのような時に感じていらっしゃいますか?

みんな、いい顔をしているんです。若手、中堅、新人と、それぞれの役割があると思うのですが、今まで中堅だった選手が一番年上になって、チームを引っ張っていくことを強く意識してほしい、と伝えています。中堅もいつまでもお客さんじゃ困るし、新人も新人のつもりでやっていてもらっては困る。グラウンドに立ったら一緒です。時間がたくさんあるので、いろんな選手と個人的にも話をしたいと思っています。全員に期待していることは伝えていますし、しっかり整理して頑張ってほしいと思っています。

ーーパススピードについて、練習の中で強調されていますが、どのような意図があるのでしょうか?

パススピードを速くすることは、課題として取り組んでいます。パスのスピードで相手を抜くこともできるし、足のスピードで相手に比べてマイナスがあるとしても、同じように補えると考えています。共通の意識を持てるように、こだわって練習しています。

ーー今大会を通じて、どのようなことをテーマにされていますか?

新しいことを試しながら、結果を出すことは簡単ではないと思っています。選手は(より多く)使いたいし、ベストメンバーで勝ちに行く、という方法もあると思いますが、(メンバーを固定せずに)ばらしながら起用したいと考えています。

A(主力)チームとB(サブ)チームの差があるチームにはならないでほしいと思って、(選手たちの積極性を)促しています。チャンスはみんなにあるし、全員の力が上がってくればメンバーを固定する必要はないので、全員で、良い結果を残したいですね。

菅澤優衣香
菅澤優衣香

FW 菅澤優衣香

ーーご自身3回目の大会ですが、菅澤選手にとって、アルガルベカップはどのような大会ですか?

代表戦で初めてゴールを決めたのがアルガルベカップだったので、印象深い大会ですね。いろんな国と対戦できる貴重な機会なので、いつも楽しみにしています。今大会は優勝したいですし、自分自身も試合に多く絡んで、FWとして多くの点を決めることを目標にしています。

ーーこのチームでご自身の役割は、どんなことだと考えていますか?

このチームで、フォワードは得点と、前線からの守備も求められています。(今回のメンバーの中で、自分は)なでしこジャパンの試合を多く経験している方なので、オフザピッチでは歳下の選手たちとうまくコミュニケーションをとっていくことも大切な役割だと感じています。

ーーFW同士ではどのようなコミュニケーションを図っていますか?

一緒に組む選手とプレーがずれていたら、プレー中にその都度、修正しています。高倉さんが監督になって、最初の頃よりも連携面で合って来た感触がありますね。100パーセントにするために、さらに突き詰めていきたいと思います。

ーー今大会の具体的な目標を教えていただけますか?

出た試合で、1点は必ず決めたいですね。先制点はチームに勢いをつけますし、試合を決定づけるゴールも決めたいです。

ーーフィジカル面を強化する取り組みの中で、個人的に続けていることはありますか?

体幹トレーニングはずっと続けていますが、チーム(浦和レッズレディース)でも走りのメニューを取り入れています。個人的には、「つま先で走る」ことなどを意識してトレーニングをしています。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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