新旧の選手達が入り乱れる中、錦織圭は、全豪テニスのタフドローを勝ち上がっていけるか!?
テニス4大メジャーであるグランドスラムの初戦・オーストラリアンオープン(全豪テニス)が、1月16日から南半球のメルボルンで開幕する。
錦織圭(ATPランキング5位、1月9日付け、以下同)は、2017年シーズンのツアー開幕戦であるATPブリスベン大会で準優勝をして、いいスタートをきったものの、決勝中に左でん部に痛みを感じて治療を受ける場面もあり不安を残した。
ブリスベン大会決勝翌日に、シドニーで予定されていたエキシビションマッチの出場をキャンセルしてメルボルン入りした錦織は、大会会場で選手と共に練習しながらコンディションを整えた。
「1年のスタートとしては、本当に嬉しく思います」と語った錦織は、第5シードになり、大会ドローのトップハーフに入った。1回戦の相手は、アンドレイ・クズネツォフ(48位・ロシア)。昨年の全豪と同様、初戦としてはタフな対戦相手となった。対戦成績は、錦織の2勝1敗で、昨年のローランギャロス2回戦とウインブルドン3回戦でも対戦しており、いずれも錦織がストレートで勝利している。錦織の1回戦は、大会開幕日の1月16日に行われる。
「タフな1回戦です。1試合ずつ戦っていくつもりですが、(グランドスラムの)第2週に進めたらいいですね」(錦織)
勝ち上がると2回戦では、ニコラス・アルマグロ(42位、スペイン)とジェレミー・シャルディ(71位、フランス)の勝者と対戦する。アルマグロとの対戦成績は、錦織の2勝1敗で、シャルディとの対戦成績は、錦織の4勝2敗だ。
さらに順当にいった場合、3回戦からはシード選手同士の対戦が始まる。3回戦では、第26シードのアルベルト・ラモス-ビノラス(26位、スペイン)で、錦織の4勝1敗。
4回戦では、第10シードのトーマシュ・ベルディヒ(10位、チェコ)で、錦織の4勝1敗。また4回戦では、左ひざのけがから昨年のウインブルドン以来の復帰をする第17シードのロジャー・フェデラー(17位、スイス)と対戦する可能性もある。錦織の2勝4敗だが、まだグランドスラムでは対戦したことがない。
そして、準々決勝では、第1シードのアンディ・マリー(1位、イギリス)で、錦織の2勝8敗。直近の対戦では、16年ツアーファイナルズのラウンドロビンで、3時間20分の激戦の末、錦織が敗れた。だが、16年USオープン準々決勝では、3時間58分の5セットの末錦織が勝った。錦織がグランドスラムでマリーを破ったのは、この時が初めてだった。オーストラリアンオープンでは、12年準々決勝で戦ったことがあり、マリーがストレートで勝っている。
錦織は、全豪でベスト8に3回進出したことがあるが(2012、15、16年)、自己ベストとなる初のベスト4に入るためには、マリー戦で再びの錦織の真価が問われることになる。
プロ10年目になる錦織は、今シーズンに、まだ手にしたことがないマスターズ1000大会での初タイトルやグランドスラムの初優勝を、これまで以上に意識しながら戦うことになる。そして、2017年シーズンは、ここ最近ではなかったほど激しい競争の中で、錦織は戦っていかなければならない。
現在2強といわれ、共に29歳のマリーとノバク・ジョコビッチ(2位、セルビア)が、ワールドテニスツアーを支配する中、ベテランである35歳のフェデラーや30歳のラファエル・ナダル(9位、スペイン)が復活を期する。さらに、20代前半の才能のある若手選手達が急成長してきており、新旧入り乱れた高いレベルのテニスが繰り広げられそうだ。
「いつかグランドスラムタイトルを取れたらいいですね。それができると自分自身を信じることです」(錦織)
激しい競争の中を27歳になった錦織がどのようにプレーし、グランドスラムの頂点にどれだけ近づくことができるのかどうか。それを占ううえで非常に重要なオーストラリアンオープンでの戦いとなる。