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下馬評はメッツ優位もドジャースのワールド・シリーズ進出なるか #専門家のまとめ

横尾弘一野球ジャーナリスト
ドジャース打線は、第1戦でメッツの先発・千賀滉大を攻略できるか。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールド・シリーズ制覇を目指す大谷翔平のロサンゼルス・ドジャースが、地区シリーズでサンディエゴ・パドレスを3勝2敗で下し、ナ・リーグ優勝決定シリーズに勝ち上がった。対戦相手のニューヨーク・メッツはレギュラー・シーズンでナ・リーグ東地区3位ながら、ワイルド・カードでミルウォーキー・ブリュワーズ、東地区王者のフィラデルフィア・フィリーズをミラクルな戦いで破っている。また、第1戦には千賀滉大の先発が予告されている。今季の千賀は右肩の張りや左ふくらはぎを痛めて1試合しか登板できなかったものの、ポストシーズンになって戦列に復帰。ドジャースは、その千賀を攻略して波に乗れるのか、そして、ワールド・シリーズには進出できるのか探る。

ココがポイント

ワイルドカードでポストシーズンに進出したメッツは、神がかり的な勝ち上がりで「ミラクルメッツ」と称されている。
出典:日刊スポーツ 2024/10/12(土)

ナ・リーグのポストシーズンには、ブルワーズを破ったチームは必ずワールドシリーズまで勝ち上がるという珍データがあり、
出典:サンスポ 2024/10/12(土)

ナ・リーグ優勝決定シリーズで対決するドジャースとメッツの戦力を比較。メッツが4勝2敗で勝ち進むと予測した。
出典:スポニチ 2024/10/13(日)

過去のポストシーズンの対決は、(中略)地区シリーズでの対戦では2006年が3勝0敗、2015年が3勝2敗でメッツが勝っている。
出典:スポーツ報知 2024/10/13(日)

エキスパートの補足・見解

 メッツはブリュワーズとのワイルドカード・シリーズ第3戦、2点を追う9回表一死一、三塁でピート・アロンソが逆転3ラン本塁打を放って勝ち上がると、2勝1敗で迎えた地区シリーズ第4戦でも、フランシスコ・リンドーアの逆転満塁弾でフィリーズを下した。そんなミラクルな戦いぶりに加え、千賀も復帰した投手力でポストシーズンの本命と見るメディアは多く、メジャー・リーグ公式サイトでもメッツの勝利を予想する記者が上回っている。ただ、パドレスに王手をかけられても「ここから2連勝すればいい」と大谷がポジティブに語ったように、今季のドジャースは主力が戦列を離れたり、投手陣に故障者が相次ぐ危機もチーム一丸となった戦いで乗り切ってきた。そして、何よりメッツ以上のミラクルを起こしてきた大谷が万全の状態だ。

 また、シギュラー・シーズンの対戦ではドジャースが4勝2敗とメッツに勝ち越しており、ナ・リーグ最高勝率をマークしたドジャースのチーム力、打線の爆発力を高く評価する声もある。短期決戦は何が起こるかわからない部分も多いが、それでも大谷がチームの牽引役となり、ナ・リーグ王者になれるか。まずは、第1戦で千賀を攻略できるのか注目したい。

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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